第38話 探索の帰りで・・

 迷宮を出て乗合馬車を待つ間にジインが清拭クリーニングを掛けてくれたお陰で不快なまま帰らずに済んだ。

アボス「あとはギルドに行って、階層主討伐の報告と魔核の換金をするか」

ジイン「大丈夫ですか?アボスさん」

アボス「ん?何が大丈夫なんだ、ジイン」

ジイン「その・・・またギルドマスターがいませんかね?」

アボス「まさか、そんなポンポンいないだろう」

フロウ「・・・だと、いいのだが・・・」

アボス「いるなよ、絶対いるなよ」

シャヤ「・・・フラグ🚩・・・」


 ~~迷宮探索ギルド~~

ベリル「おう、お帰り」

アボス「・・・嘘だろう、いた・・・」

ジイン「だから、言ったのに」

フロウ「予想の範疇だったな」

シャヤ「・・・でも、なぜ受付に?・・・」

ベリル「ん?、そりゃお前達を待っていたからさ」

アボス「・・・それはどうも・・・で本当の理由はなんです?リーダー」

ジイン「・・・ギルドマスターが受付には無理が・・・」

フロウ「いくらフットワークが軽くても限度が・・・」

シャヤ「・・・お忍び?・・・」

 4人が一気に捲し立ててきて、ベリルは両手を上げた。

ベリル「参った参った降参だ、シャヤ嬢のいう通り、お忍びでが来られるのだ、そしてお前達にも関係あるお人だ」

アボス「俺達4人に関係ある人ですか?」

「「「???」」」

ベリル「お、どうやら来たようだぞ」


 ~~ガチャ~~入口の扉が開いた

ジイン「あれは・・・レイテさん?」

フロウ「とロンドネさん?・・・」

シャヤ「・・・なんで師匠が?・・・」

アボス「いや、待て、まだ後ろに誰かいるようだ」


 レイテとロンドネに続いて、壮年の男女が入って来た。

ジイン「あ!・・・あの人は・・・」

アボス「どうした?ジイン、知り合いか?」

 そこにベリルが2人に挨拶に向かった。

ベリル「お待ちしておりましたぞ、カルツオーネ卿」

 「これはこれはベリル殿、此度は妻が無理を言って申し訳ありませんな」

 「あら、あなたも楽しみにしていたじゃありませんか」

 「それはそうだがな、ハッハッハ・・・うん?そこの彼は確か帽子を買ってくれた・・・」

ジイン「ジインと申します、ご無沙汰しております」

 「おぉ、やはりあの時のお若いのか、してそちらがジインさんのパーティーメンバーかの?」

「初めまして、リーダーのアボスです」

「フロウです」

「シャヤです」

 簡単に自己紹介をすると、カルツオーネ卿の奥方がシャヤを見て、「まぁ!あなたが姉の弟子のシャヤさんね」

 ・・・姉?・・・

ロンドネ「ミーシャ、みんなが困っているよ、きちんと挨拶と自己紹介をしなさい」

 「申し遅れました、初めまして、ロンドネの妹のミーシャ・カルツオーネです」

 「「「「えぇぇぇぇぇ!!!!」」」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る