第39話 応接間にて

ロンドネ「ふん!そんなに驚く事かい、シャヤ」

シャヤ 「・・・師匠、聞いてない・・・」

ロンドネ「言ってないからね、だからあんたとフロウがその帽子を被って来た時は驚いたよ」

シャヤ 「・・・これはお気に入り♥・・・」

ロンドネ「まぁ、私達の事はいいさね、それよりミーシャから話があるんだろう?」

ミーシャ「えぇ、皆様方、此度は反物のご提供、誠にありがとうございます」

ガルバン「妻が大変世話になり申した、あなた方には感謝しかありませぬ」

 カルツオーネ夫妻は深々と頭を下げた。

レイテ 「!カルツオーネ卿、どうか頭を上げてください」

ベリル 「そうですぞ、私共では宝の持ち腐れ、むしろ活用していただける所に提供出来たのは喜ばしい事です!」

アボス 「私も同意見です、8年も眠っていた反物が陽の目を浴びる事が出来たのは僥幸でございます」

ミーシャ「ですが今パンジャール産の反物は品薄で貴重なのでは・・・」

ベリル 「お気になさらずに、それに中品質以下でしたらまだあります、それにミス・カルツオーネの防具で救われている探索者が大勢います、そのことを思えばお安い御用でございます」

ミーシャ「嬉しいお言葉・・・そうですわ皆様方にお礼をしないと、あなたお願いします」

ガルバン「うむ、こちらが反物の代金です、どうぞお納めくだされ」

 ドンッと金貨の袋が2袋、机の上に置かれた。

ベリル 「・・・カルツオーネ卿、多すぎませんか?」

ガルバン「妻から、この金額が適正だと聞いておるので、遠慮は無用ですぞ」

ミーシャ「久々のパンジャール産の反物、しかも高品質ですもの、これは腕が鳴りますわ」

ロンドネ「ちょいと、ミーシャ・・・あんたは療養中なんだから無理をするんじゃないよ」

ミーシャ「あら、姉さん、この反物を前に無理をするなだなんて・・・」

ベリル 「では肩慣らしにこちらをどうぞ」

 とベリルがアボスに目配せをすると、アボスは収納ストレージから新たな反物を取り出し、ベリルに手渡した。

ベリル 「先程、申した中品質の反物でございます、こちらもお使いくだされば幸いです」

ミーシャ「まあ!まあ!ありがとうございます」


アボス 「カルツオーネ卿、私共はこれで失礼致します」

ガルバン「おぉ、長らく引き留めてすまなかった」

ミーシャ「皆さん、姉を宜しくお願いしますね」

レイテ「おぉ、そうだ、階層主を倒したんだったね、おめでとう」

ジイン「はい!ありがとうございます!」

ベリル「そうか!次からは2階層だな、アボス」

アボス「はい、少し休んでからですが」

ベリル「それと机の上の金貨袋を忘れずに持って帰れよ」

アボス「えっ、あれはリーダーのでは?」

ベリル「何を言っとる、1袋はお主達ので、もう1袋は階層主を倒した報酬にすると良いではないか、構いませぬな、カルツオーネ卿?」

ミーシャ「勿論ですわ、ねぇ、あなた?」

ガルバン「うむ、はもう、あなた方の物だ、好きになさるが良い」

レイテ 「そうそう、御祝儀だと思えば良いんだよ」

ロンドネ「せっかくだよ、貰える物は貰っておきな」

アボス 「・・・では、ありがたくいただきます」

 「「「ありがとうございます!!」」」

 こうして、俺達は応接間を後にした。

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