第34話 ギルドにて④

ベリル「おっと、そうじゃ、もう1つ忘れておったわ、アボスよ、昔やった反物は持っておるか?」

アボス「ええ・・・地獄の思い出と一緒に持っていますよ・・・」

ベリル「地獄?なんで天国の思い出だろう?」

アボス「ある意味、本当に天国に行くところでしたがね・・・」

ベリル「そんなこというなよ~お前と儂の仲ではないか」

アボス「ちょっと!懐かないで下さいよ!」


レイテ「・・・いつまでじゃれ合っているんだい・・・ベリル、早く例のブツを出してくれないか」

ベリル「おおっ、そうだったな、収納ストレージ・・・反物、反物と・・・そうだアボスよ、お前も出してくれい」

アボス「了解、では収納ストレージで・・・リーダー、反物は高品質のみですか?」

ベリル「あぁ、全部出すとなると多すぎる、とりあえず高品質だけで良いぞ」

ジイン「え?今、不穏な言葉が聞こえたのですが・・・」

フロウ「高品質だけ?・・・まさか・・・」

シャヤ「・・・他の品質もある・・・」

レイテ「・・・皆の気持ちを代弁して聞くが、2人とも他品質の反物を持っているのかい?」

ベリル「当然だろう、のうアボス」

アボス「はい、勿論ピンからキリまでありますよ」

 「「「・・・・・・・・・」」」

レイテ「まぁ、いいか・・・高品質はどの位あるんだい?」

アボス「3本です」

ベリル「儂も3本だったかな」

レイテ「ちなみに他品質のは?」

アボス「う~ん、多分10本以上はありますかね」

ベリル「数えてはおらんが沢山あるはずだ」


ジイン「うわ~、まさかの2人反物市だ~」

フロウ「成程、この師匠にして、この弟子ありか」

アボス「ん?どうしたんだ、みんな?」

シャヤ「・・・そして、自覚症状無し・・・」


ベリル「何か、ボロカスに言われてる気がするが・・・」

レイテ「あぁ、気のせいだね、ささ、出してくれないか」

        ~ドサドサッ~

レイテ「どれどれ・・・木綿とこれは亜麻布リネン、うん良いね、大麻ヘンプ苧麻ラミー、ぬう・・・これは正絹シルクか、見事にバラけているね」

ジイン「レイテさん、凄く詳しいですね・・・」

レイテ「はははっ、蒐集家あるあるだよ、これならミス・カルツオーネも喜んでいただけるだろう」

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