第29話 短道探索

 4人は素材集めに短道の扉を開けた・・・

 ~~ガチャリ~~

アボス「ぬっ、扉が消えた・・・悪意か!」

ジイン「各自、備えを怠らないように!」

フロウ「魔物の気配が強い・・・」

シャヤ「・・・油断大敵・・・」


 ・・・4人は慎重に歩を進めた・・・

フロウ「アボス、その曲がり角の先から魔物の気配だ」

アボス「待ち伏せの可能性もあるな・・・俺が確認しよう」

 アボスは盾を構え、ジリジリと滲み寄る、後ろを振り返るとジインも中槍ミドルランスを、フロウは弓を番えて、矢を射る態勢だ、シャヤも魔術発動の準備中だ。

アボス「む、いた・・・迷宮クロウに迷宮ラット、緑ゴブリンが2体か、装備が革鎧に盾、手斧と弓持ちか」

(どうやらこちらには気づいていない様だな・・・さて、どうするか・・・)

アボス「魔物は4体でゴブリン2、ラット1、クロウ1だ、弓持ちが少し厄介だな」

シャヤ「・・・魔術で先制する?・・・」

ジイン「いや、そうするとシャヤが危険だ」

フロウ「まず私の弓でいくか?」

アボス「うむ、次にジインの槍で弓持ちを仕留めてくれるか、もう一体は俺がやる、シャヤはラットを火の魔術で」

シャヤ「・・・了解ラジャー・・・」

フロウ「射るぞ・・・」

 ヒュン!と矢は飛んでクロウに突き刺さった!

ゴブリン「「!?ゲギャギャ!!」」

 ゴブリン達は慌てて戦闘態勢を取るも・・・

ジイン「判断が遅い・・・」

 中槍ミドルランスがゴブリンの胸を深々と貫いた!!

アボス「一度ひとたび崩れると脆いものだな・・・」

 ゴブリンは手斧を振りかざすが、落ち着いて盾で防ぎ、すかさず剣で胸を切り裂いた。

アボス「シャヤはと・・・心配は無用か」

 見ると黒焦げになったラットが転がっていた、クロウもフロウがしっかりとトドメを差している、戦闘終了だ。


ジイン「見て下さい、宝箱がありますよ」

フロウ「短道だからな、大した物は入ってないと思うが」

シャヤ「・・・それでも楽しみ・・・」

フロウ「まずは調べるか、うむ罠はなし鍵は掛かっているが簡易錠だな・・・この程度なら造作もない」

 ~~カチャカチャ~~ガチャン~~

フロウ「よし、解錠完了」

アボス「流れるような所作だな」

ジイン「早いし、正確ですね」

シャヤ「・・・フロウなら当然・・・」

フロウ「では開けるぞ」

 宝箱を開けると、大小の石、錆びた鉈、数枚の鉄貨、青銅貨と古い銅貨が一枚入っていた。

フロウ「・・・中身は前回とあまり変わらないな・・・」

アボス「錆びた鉈は、研いで薪割り用にでもするか、この銅貨は見た事がないな、昔のだろうか?」

ジイン「いにしえの銅貨ですか、ロマンを感じます」

シャヤ「・・・ロマンチスト・・・」

アボス「さ、探索を続けようか」

(それにしてもフロウの弓の腕には驚いたな、クロウを一撃とは・・・ジインの槍捌きも板についてきたし、シャヤの魔術も素晴らしい、俺も負けてられないな)

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