第20話 迷宮反物

ジイン「アボスさん、本気で言ってます?」

アボス「あぁ、まずは見て貰いたいので取り出そう、収納ストレージ・・・アイテムエリアから・・・よっと」


ポンっと綺麗に巻いてある反物1反が出てきた。

シャヤ「・・・本当に出てきた・・・」

フロウ「アボス、この1本だけなのか?」

アボス「ん?、いやまだあるぞ、全部出そうか?」

ジイン「・・・何か猛烈に悪い予感が・・・」


アボスの収納ストレージから反物が2反出てきた。


アボス「全部で3本だが・・・」

ジイン「ちょっと!!これ全部違う素材じゃないですか!」

シャヤ「・・・木綿に亜麻布・・・これは絹?・・・」

ジイン「・・・嘘・・・高級品の絹まであるとは・・・」

フロウ「・・・アボス、これは一体どこで?」


アボス「隊商キャラバンの時にパンジャール迷宮で手に入れたんだが・・・」

ジイン「もしかしてギルドマスターと一緒にですか?」

アボス「あぁ・・・リーダーに鍛錬に行くぞと言われて連れまわされてな・・・体中に包帯を巻いた魔物を倒しまくっていたら出てきた」


シャヤ「・・・この反物、恐らく高品質・・・鑑定はした?・・・」

アボス「リーダーが鑑定してから割り当てられたからな、そういえば商品で出したら飛ぶように売れていたな」

フロウ「そうだろうな・・・貴族や富裕層がこぞって買いに来るのが目に浮かぶよ・・・ん?ということはギルドマスターは国王に献上したのかな」


アボス「あぁ、多分、迷宮主を倒した時に出たのを献上したはずだ」

ジイン「もしかしてパンジャール迷宮主を倒したのって8年前ですか?」

アボス「・・・そうだったかな・・・」

ジイン「8年前に隊商キャラバン一行が迷宮主を倒したと話題になったんですよ!確か名前がベリル隊商キャラバン・・・ってギルドマスターやん!!うわぁ!何であの時に気づかへんかったんやろ」

アボス「ジイン・・・興奮して訛っているぞ・・・」

ジイン「はっ!・・・すみません、取り乱してしまいました」

シャヤ「・・・ギルドマスターは化け物・・・控えめに言って怪物・・・」

フロウ「アボスも迷宮主と戦ったのか?」

アボス「いや、迷宮主の取り巻きを相手にしてリーダーが迷宮主をドカンで終わり・・・あれはえらい目にあったな・・・」


ジイン「・・・あ、遠い目をしている・・・」

フロウ「鍛練目的で迷宮主達と戦わされたらな・・・」

シャヤ「・・・スパルタ・・・」

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