第19話 休日の夜の語らい
・・・それぞれ思い思いの休日を過ごした4人・・・
風呂と食事を終えてから寝るまでの時間・・・通称まったりタイム・・・
何か連絡事項があればこの時に話すようにしている。
アボス「さて、みんな休日は楽しく過ごせたか?」
シャヤ「・・・学校の先生?・・・」
フロウ「ふふっ、確かにそんな話し方だな」
ジイン「はいっ、先生、いい休日でした、それで見て頂きたい物があります」
おもむろにジインは袋から帽子を取り出した。
ジイン「今日、同じ価格の帽子を4つ買ったのですが・・・」
アボス「これは布の帽子だな」
フロウ「これがどうかしたのか?」
シャヤ「・・・!同じ価格・・・1つは違うはず・・・」
・・・シャヤだけが1つの帽子を凝視している・・・
ジイン「シャヤは気付いているみたいだね、4つの内1つだけ魔力を帯びている帽子があるんです」
アボス「俺にはどれも同じに見えるが・・・」
フロウ「私もだな・・・」
シャヤ「・・・やっぱり・・・迷宮布の帽子・・・」
「「迷宮布??」」
ジイン「僕が説明します、迷宮布とは東方諸国の迷宮で産出される反物・・・迷宮反物と呼ばれる生地です」
フロウ「迷宮反物?初耳だな」
アボス「・・・・・・・・・」
シャヤ「・・・この帽子はかなりの魔力を帯びている・・・生地がいいのもあるけど・・・縫製師も優秀・・・ジイン、この帽子の値段は?・・・」
ジイン「ふふっ、いつになく饒舌だね、シャヤ・・・それだけこの帽子が気になるようだね、この帽子は1つ500モルだよ、4つで2000モル」
シャヤ「・・・有り得ない・・・この帽子1つで2000モル以上するはず・・・」
フロウ「そ、そんなに凄い帽子なのか?」
シャヤ「・・・
アボス「・・・1ついいか?・・・その・・・反物は布だけなのか?」
シャヤ「・・・他は綿や絹もあると聞いている・・・ただ迷宮布には品質がある・・・粗悪、低、中、高、最高の五段階・・・この帽子は低品質の布・・・でも縫製師が優秀なので下の上クラス・・・中品質と何ら遜色ない・・・」
ジイン「4つとも街商広場の同じ店で購入した物です」
フロウ「・・・正に掘り出し物という訳か・・・」
3人が帽子について話している中、アボスは天井を見上げたり、屈伸をしたりと終始落ち着きがなく、ソワソワしていた。
ジイン「アボスさん、どうしたんですか?、さっきから変ですよ」
アボス「あー、その、何だ、つまり・・・」
フロウ「歯切れが悪い言い方だな、本当にどうしたのだ?」
シャヤ「・・・挙動不審・・・」
アボス「実は・・・その反物とやらを持っているんだが・・・」
「「「えええぇぇぇぇぇぇ!!!」」」
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