第13話 探索を終えて・・・

~~迷宮探索ギルド内~~

アボス「よし、これでパーティー名は四面八臂しめんはっぴだ、それでこの後は食事の予定だが・・・どうする?」


ジイン「あまりお腹が減っていないのなら先に温泉に行きますか?」

シャヤ「・・・それがいい・・・汚れを落としたい・・・」

フロウ「私も賛成だ」

アボス「では入浴後に鶏豚けいとんで食事だ」

ジイン「その前にレイテさんに報告とお礼に行ってきます」

アボス「報告とはその腕輪のことか?」

ジイン「ええ、次元家屋の内部構成を聞かれていたので」

アボス「それならば、先に向こうの都合を聞きに行こう、時間がかかるなら、温泉や食事に行けばよい」

シャヤ「・・・牛馬亭ぎゅうばていに行く・・・」


牛馬亭ぎゅうばてい

レイテ「お待たせしたね、ジイン君、探索はどうだった?」

ジイン「はい、概ね順調でした、この腕輪のおかげです」

レイテ「それはなによりだよ、男女混合パーティーだとトイレ事情が問題になるからね、懸念材料は1つでも消していかないといけない」

アボス「レイテさん、このような貴重な腕輪をお貸しいただき、本当にありがとうございます」

フロウ「多大なるご配慮をいただき恐悦至極の思いです」

シャヤ「・・・それと次元家屋の部屋での食事は美味しかったです・・・」


レイテ「?、次元家屋の部屋だって!・・・トイレだけじゃないのかい?」

ジイン「いいえ・・・部屋が1つとトイレでしたが・・・なにか?」

レイテ「私の最初はトイレだけだったんだよ・・・」

(どうやら彼は私のとは似て異なる力なのか・・・これは予想以上だな・・・)

「「「「????」」」」

レイテ「失礼・・・君達には迷宮鉱石をお願いしていたが、もう1つ頼みたいことがあるがいいだろうか?」

アボス「はい、我々で出来る事でしたら・・・」

レイテ「うむ、では次元の腕輪の成長記録を付けていただきたい」

ジイン「成長記録ですか?」


レイテ「その腕輪は階層毎に成長する迷宮魔道具ラビリンスアーティファクトなんだ、私の時は3階層で部屋になったが君は1階層から部屋になっている・・・となれば2階層以降どうなるか非常に興味深い・・・どうだろう?引き受けてくれるかい?」

ジイン「そういう事でしたら是非引き受けさせて下さい!よろしくお願いします」

レイテ「よし!交渉成立だね、いやぁ気分が良い、引き続き鉱石の方も頼むよ」

アボス「はい、こちらこそよろしくお願いします」

「「「よろしくお願いします!」」」


こうして4人は牛馬亭ぎゅうばていを出た後、温泉に入り、鶏豚けいとんに向かった。


鶏豚けいとんにて~

鶏豚けいとん店主「いらっしゃい!おっ、ゼロ=カルテットの方々だね、席は用意してあるよ、はい予約の4名様、奥の個室にご案内~!」

「「「「ようこそ!いらっしゃいませ!」」」」


フロウ「?・・・アボス、予約していたのか?」

アボス「いや、俺はしていない・・・ジインか?」

ジイン「ずっと一緒だったのに出来る訳ないでしょう・・・もしかしてシャヤ?」

シャヤ「・・・もしかしなくても私じゃない・・・一体???」


フロウ「店主、我々は予約はしていないのだが・・・」

鶏豚けいとん店主「ん?あぁレイテの旦那から聞いてるよ、さぁ奥へ行った行った、お金もいただいているからゆっくりしてってよ」

店主は人当たりの良い笑顔でそう言って、調理場へ戻っていった。


ジイン「さすがというか、粋なことをしますね・・・」

フロウ「抜け目ない御仁だな・・・」

アボス「改めて、お礼にいかねばならないな」

シャヤ「・・・早く食べたい・・・」

ジイン「そうだね、席へ行こうか」


次々来る料理に舌鼓したつづみを打ちつつ、今日の出来事を皆で語り合った。


アボス「それでは明日の予定だが、今日のように短道探索で良いか?」

フロウ「そうだな、もう1度連携の確認をした方が良いと思うが・・・」

シャヤ「・・・余裕があれば中道に挑戦したい・・・」

ジイン「そうですね、むしろ最初から中道に行くのはどうでしょう?」


アボス「む・・・確かに遅かれ早かれ中道に行くなら早い方がいいか・・・」

フロウ「皆がそう言うなら私も異議はない」

シャヤ「・・・この前の様にはならない・・・」

ジイン「装備の見直しと立ち位置の変更を提案します、殿しんがりだった僕が前に出て、アボスさんが盾でガード、フロウは弓矢、シャヤは魔術と投擲で攻撃する・・・これでどうでしょう?」


アボス「ならば、ジイン明日は槍を使ってみろ、メイスや剣よりリーチがある分、有利に働く」

ジイン「わかりました」

シャヤ「・・・フロウ・・・投擲のコツを教えて欲しい・・・」

フロウ「フフッ、シャヤもやる気モードになったようだ」


これは明日からの探索が楽しみだ。

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