第12話 迷宮の善意

 その後もう1つの短道に入ると・・・

ジイン「おぉ。先程とはまるで違う、草木が茂っている・・・」

アボス「これは・・・土の感触が・・・凄いな・・・」


シャヤ「・・・今度は迷宮の善意・・・」

ジイン「迷宮の善意?」


フロウ「ああ、ここでは迷宮産の薬草類やキノコが手に入り、魔物も比較的穏やかなので探索者からは迷宮の施し・・・迷宮の善意と言っている」

アボス「成程・・・悪意に善意か・・・他にもあるのか?」


シャヤ「・・・あとは中庸と呼ばれている・・・」

ジイン「中庸・・・悪意にも善意にも偏らない中間、中立の意味ですね」

アボス「では、ここでは採取をメインに考えて良いのか?」

フロウ「そうだな、各自ですると危険があるので二手に分かれて採取をしよう、組み合わせは・・・」


シャヤ「・・・私はジインと一緒に・・・フロウ、採集勝負する、負けたら食事代出して・・・」

フロウ「むっ、いいだろう、制限時間は1時間でより多くの種類を集めた者の勝ちとするでいいか?」

ジイン「やるからには勝ちたいな・・・頑張ろっと」

アボス「ジイン、採取はフロウとシャヤで、俺達は周囲の警戒だぞ」

ジイン「警戒しつつ採取をします、負けませんよ!」

アボス「・・・すっかりやる気満々だな・・・まぁいいか」


フロウ「では、始めるぞ、よーいスタート!」


   ~こうして、食事代を賭けた採集バトルが始まった~


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   ~~1時間後~~

ジイン「これだけ採れたら勝てるよ」

シャヤ「・・・ヒールハーブ・・・イレイザ草・・・迷宮キノコ・・・」


フロウ「さすが、シャヤだな、だが私も負けていないぞ」

アボス「お、良い勝負になりそうだな」


シャヤ「・・・危なかった・・・なんとか勝てた・・・」

フロウ「くっ、僅差で負けるとは・・・すまないアボス・・・」

アボス「気にするな、次、勝てば良いんだ」


その後は、魔物と遭遇したが、難なく撃退した。

(やはり、短道の魔物は問題ない・・・明日にでも中道、長道を目指すか・・・)



アボス「今日はこれくらいで切り上げるか」

ジイン「そうですね、資源や素材も入りましたし、良い頃合いかと」


フロウ「そうだな、上々の結果だと思う」

シャヤ「・・・帰ってゆっくりしたい・・・」


アボス「では、今日の探索は終了だ、帰りにギルドに寄ってパーティー名の変更申請、迷宮資源の換金、その後で食事にしよう」

「「「了解」」」


俺達は迷宮を後にしてギルドに向かった。

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