第5話 レオン君のお見舞い

久しぶりと言えば久しぶりなのかしら。


陛下の毒殺事件から斬首刑になるまでの間は、

地下牢で幽閉されてたからそうでもないのかも知れなけど。


王城に入れはするけど病弱なレオン第二王子殿下に会うのは難しいわよね。

そもそもいきなりアーサーに毒薬飲まされてる何て言えない。

でも国王陛下と王妃に会おうとすると下手するとひと月待たせられるしね。

頼みの綱が犯人のアーサーだし、レオン君伝手で陛下にお眼通りお願いするしか無いわね。


この頃から、レオン君は私の事をお姉様としたってくれてたし

王族だから病弱でも弱音を吐けなかったのよね。


私は城の門兵に通行書を見せる為に私は直接馬車を降りた。


「ああソフィア様ですね。

アーサー第一王子殿下からお見えになったら、

レオン第二王子殿下の部屋にお通しする様に言われておりますので

今城内の使用人を呼んで案内致します。」


私はゾッとした、昨日既に様子が変だとは思っていたけど、

まさかここまで気づかれているとは。

私が過去に戻る前から知っていたという事?

レオン君は無事なの?


私ははやる気持ちを抑えて使用人に案内されるままレオン君の部屋に向かった。


使用人のノックの後に部屋に通されてレオン君のそばまで近づいて行った。


「お姉様、来てくれたんですね。」

「レオン君病代はどう?」

「今日は調子が凄く良いんです、昨日お兄様に言われて昨日まで飲んでた薬を辞めたら、

少し元気が出てどうもあの薬は僕には合わなかったみたいです」

「そう体調が良いなら安心したわ」


んーっとレオン君が両手を上げるので私はレオン君を抱きしめて頭を撫でてあげた。


「えへへ、このまま元気になったらお姉様僕のお嫁さんになってくれる?」

「もうお姉さんそんな事言われたら、レオン君を待っていき遅れてしまうわ」

「大丈夫だよね、すぐに元気になって迎えにいくから。」

「ありがとうレオン君、楽しみに待っているわ」


「やあ、そこにいるのは昨日私のプロポーズを受けてくれたソフィア嬢ないか」


・・・どこまで手の内よ、ペースに飲まれる訳にはいかないわね。


「あら、そう言うあなた様は昨日プロポーズした相手の妹と、

仲睦まじくデートされてたアーサー様じゃないですか。

どうされました、いつもの相引きのお店がお休みでしたか?」


「本当に人聞きが悪いな、私の弟が疑わしい目で見始めてるので本当にやめてくれないか。

場所を変えて私の部屋で話の続きをしよう」

「レオン君ごめんね、お姉さんが汚れてしまっても嫌いにならないでね、お願いよ。」

「・・・お兄様」

「いや本当に違うからなレオン、ソフィア嬢の悪ふざけだ。

ここの侍女もつれてくから安心してくれ」


まあ、牽制はこの位で良いか。

ここまで手の内がバレてる以上は私も多少の危険があっても踏みこまないと、

前回の様に後手に回ってしまう。


私は、レオン君の頭をそっと撫でると侍女を伴ってアーサーの部屋に向かった。

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