Mission 4:敵の幹部の命(タマ)を獲ろう(4)

 袋の中には拳銃の他に、地図と写真が入ってる。


「毎晩夜中の1時頃、柿崎はそこの店に来る。入口の前に張りこんで、車を降りた瞬間を、狙って撃てばいいだけだ」


 王牙はサクッと言うけれど、迷路はこれまで人を撃つ、経験なんてあるはずない。


 王牙にもらった仕事といえば、キャッシュカードを渡されて、あちこちのATMから、10万円ずつ下ろすとか、事務所で渡されたカバンを、中身も知らされてないまま、別のところに届けたりとか、そういうヌルいやつばかり。


「コイツはここだけの話、オメーの試験も兼ねてんだ」


 急に試験と言われても、何のことだかわからない。


「そもそもオメー年齢としはいくつだ」


「来月で20歳はたちになります」


「つまり19ってことだろ。撃ったその足で自首すれば、殺人コロシ刑務所ムショに入っても、初犯はだいたい懲役5年、出てきてもまだ20代だ。俺が組長オヤジに話をつけて、出所の後は正式な、組員として迎えてやる」


 王牙は言ってくれるけど、迷路の心中は複雑。

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