Mission 3:敵の幹部の命(タマ)を獲ろう(3)

 さかのぼること数時間、迷路は新宿からちょいと、離れた場所の公園で、とある男と会っていた。


「柿崎賢者の命獲れや」


 迷路を電話で呼び出した、30近いその男、【勇者会】と抗争してる、【魔王組】の構成員、その名もヤバげな大崎王牙おおさきおうが


 ベンチの前で立ち尽くす、直立不動の迷路に向けて、王牙は脇に置いといた、紙袋に視線を移す。


 その辺の店でパンでも買えば、バゲットを入れてくれそうな、どこにでもある普通の袋。それを迷路の方に向け、「ほれ」と無造作に投げ渡す。


 特に何にも考えず、袋を受け取った迷路は、想定外の重さに驚き、思わず落としそうになる。


「落とすなよ、暴発するぞ」


 いきなり言われてさらに動揺、何度も持つ手を滑らせて、ギリギリどうにかキャッチする。


 重さと王牙の発言と、受け止めた時の金属音で、中に何が入ってるか、いくら鈍感な鈍感な迷路でも、だいたい察するというもの。そっと除けば案の定、中に入っていた拳銃。

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