第14話
サンダースは苦渋の決断を迫られた、30年間心血を注いで完成した前線基地を放棄するだけでなく、星の核を凍結し表面を完全にサークロイドで覆えという、この緑溢れる豊かな星を破壊し、ほぼ全人生を費やしたこの基地を、母星でぬくぬくと戯言だけの和平主義者の犠牲になってしまった、政治のことはよくわからない、ここを含め半数の前線基地を閉鎖するとのこと、もはや打って出ることも防衛することもままならない。
サンダースは全システムを統括運営する人工頭脳GPSに命じた、「GPS、72時間以内に本部の命令通り実行しろ、但し基地の機能は温存しろ、決して破壊するな、サークロイドで覆えば内部まで確認されることもないだろう、前線基地の数からしても、ましてここは重要性も低い場所からしても、そして基地の機能を停止しろ、通信も禁じる、一切その存在を示す行動を行ってはならない。将来、はるか遠い未来になるやも知れぬが、我が同胞が訪問した時は基地の機能を再起動し同胞を迎え入れ協力しろ」
サンダースは母星に帰って行った、もはや死の惑星となったがGPSはいいつけを守った、100年程は盛んに通信が飛び交っていたが、徐々に減りある時を境にプッツリと途絶えてしまった、滅ぼされたのか、自滅したのか何も分からなかった、GPSはそれでも命令とおりひたすら同胞の訪問を待ち続けた、
10億年が経過した
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