第11話

「こっちは、キャプテン明以下、パイロットの手塚の扇動で地球に帰還するまでのせめてもの反逆ヨ」桜は相手に合わせて言った

手塚!懐かしい名前が出た、治は10年前の記憶が蘇った、手塚はやめとけばいいのに何回も命令を無視してここに隠れたらしい、そしてその不思議な現象をけっして漏らさなかった、手塚はそれが災いして地に落ちたエリートの道を歩んだが、治は従順に組織に溶け込みそこそこ出世して調査船とはいえキャプテンまで昇進することがてきた、しかしおのれを殺してきたことには違いない、手塚ほど純粋にはなれなかったし、組織での競争に無我夢中であった、その組織が崩壊し自暴自棄の中、今手塚の名前を聞き、なぜか体が熱くなるのを感じた、調査船のほとんどの乗員、特に科学者は惑星への飛行プランは冷笑にふされた、折れぬキャプテンに愛想をつかした彼等は小型艇で皆帰還した、おまけに一部始終を報告され今日の戦闘になったのだ、残ったのは、これまた変わり者の反逆児3名だけだった。

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