第172話 爺ちゃん、孫対決

 

 イーグル辺境伯VSカレンとの試合。


「ガッハッハッハッハッ! 我が孫カレンよ!強くなったという、お前の力を、ワシに見せてみよ!」


 イーグル辺境伯が、豪快に笑いながら孫のカレンに言う。


「お爺ちゃん、いつまでも私が子供だと思って、甘く見ないでよ!

 私は、ヨナンの横に立つ為に、必死に修行したの!」


「ガッハッハッハッ! 言いよるわい!

 お前は、いつまでも、ワシの可愛い孫じゃわい!」


「はぁ~。本当に、私の気も知らないで……お爺ちゃん、棄権するなら今の内よ!

 私、本当に、強くなったんだから!」


「ガッハッハッハッ! 可愛い孫に抜かされるなら、本望じゃわい!

 ドーンと、ワシを越えてみせるがいい!」


 イーグル辺境伯の数いる孫の中でも、一番、自分とよく似てるカレンの事を可愛かってるイーグル辺境伯は、とても嬉しそうだ。


「しょうがないわね……じゃあ、行くよ!」


 カレンは、一気に闘気を解放させる。


「グッ! これは効くわい! じゃがこの程度」


 イーグル辺境伯も、負けじに闘気を放つ。


「どうじゃ!」


「まだまだ!」


 カレンは、更に、イーグル辺境伯より闘気を放つ。


「うぉっ! これは効くわい!」


「お爺ちゃん! 力比べよ!」


 なんか、カレンが木刀を捨てる。


「おっ! 久しぶりにやるか!」


 イーグル辺境伯も木刀を捨てて、カレンとガッチリと両手を握り会う。


 なんか、力比べをやるようだ。

 結構、体が大きいイーグル辺境伯に、カレンがスッポリ隠れてしまってるが、そんなのカレンはお構い無し。


 見た感じは、絶対にカレンが負けるようにみえるが、そこはカレン。基本脳筋なのでなんとかなるのだろう。


 というか、イーグル辺境伯の体で覆われて見えないのだけど、カレンが放つ凄まじい闘気で、会場がヒリヒリしているし。


「ぐぅ! 凄まじい闘気じゃ! だが、体格差は覆らん!」


 筋肉隆々の世紀末覇者のような出で立ちのイーグル辺境伯が、力技で、カレンを屈服させようとする。


「ふん! 体格差、なんぼのもんじゃい!

 こちとら、毎日、脳筋のアンと取っ組み合いして鍛えてんのよ!

 例え、お爺ちゃんでも、私は、ヨナン以外には、誰にも負けないんだから!」


 カレンは、腕の力だけで、巨漢のイーグル辺境伯を持ち上げる。


「ウォォォォォォォーー!」


「剣鬼すげぇーぞーー!!」


「あの、巨漢のイーグル辺境伯を腕の力だけで、持ち上げやがった!」


 イーグル辺境伯に比べて、華奢なカレンが、世紀末覇者の筋肉ダルマを持ち上げるもんだから、会場中が盛り上がる。


「ぐおぉぉぉぉ! このワシを持ち上げるじゃと!」


 イーグル辺境伯は、持ち上げられたままビックリ仰天してる。

 まあ、無理も無い。

 まさか、孫娘に体を持ち上げられるとは思わなかったのだろう。


「お爺ちゃん、私は強くなったの!だから、ゴメンね!」


 カレンは、そのままイーグル辺境伯を会場の外に、放り投げる。


 ドスン!


「勝者! カレン・イーグル!」


 審判が、勝ち名乗りを上げる。


「「ウオォォォオオォォォォーー!!」」


 会場中が、声援に包まれる。

 カレンは、ドヤ顔。


 そこへ、敗れたイーグル辺境伯が会場に戻ってきて、カレンを肩車する。


「どうじゃーー! ワシの孫娘! 凄いじゃろーー!」


「「ウオォォォォォォォーー!!」」


 またまた、会場が盛り上がる。


 イーグル辺境伯は、負けたというのに御満悦。

 どんだけ、孫馬鹿なのだろう。


 でもって、隣の会場。

 カトリーヌ対ナナの対戦。

 こちらは、圧倒的な力の差があるようだ。


 普通の何処にでもある木刀から、ナナ自ら大森林の木から削り出した木刀に替えてから、ナナの力は数十倍に跳ね上がってるのだ。


 カトリーヌの杖?攻撃を、ナナは軽くいなし、脳天に軽く一撃。


 カトリーヌは、目を回して、その場に倒れ落ちてしまった。

 やっぱり、俺の妹、メッチャ強ぇ!


 今迄は、カレン、アン姉ちゃん、カトリーヌが凄まじ過ぎて目立たなかったが、この戦いを経て、ナナの実力も、周知されつつある。


 あの娘、実を言うと、物凄いんじゃね?と、

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