第160話 交換留学生
夏休みが終わり、学校に行くと、カララム王国学園中では、カララム王国と、サラス帝国との戦争終結の話で盛り上がっていた。
「一体全体、どうしたら、サラス帝国と戦争終結できんだ?」
ヨナンは、どうしてか分からなくて、何でも知ってそうな鑑定スキルに質問する。
『どうやら、サラス帝国の方からの提案だったらしいです!
戦争推進派の王様が、穏健派の王子に、王座を乗っ取られる形で!』
何故か、鑑定スキルは興奮気味に捲し立てる。
どうやら、今現在、新情報をゲットする為に、学園中に設置されてる監視カメラから情報を得る事に、躍起になってるようだ。
そう、鑑定スキルは、新たな情報を得ると興奮してしまう性格をしているのである。
「サラス帝国の穏健派の王子って、確か、俺の2個ぐらい上で、まだ若かったんじゃないのか?」
『ですね! あっ!今、アレキサンダー君が、ちょうどその事について、学園長と話してるみたいなので、待ってて下さい!』
どうやら、鑑定スキルが新たな情報をゲット中のようだ。
『ご主人様! 大変です! どうやら、戦争終結の記念に、サラス帝国から留学生が、この学園に来るらしいですよ!』
鑑定スキルから、まさかのトンデモ情報が飛び出てくる。
「嘘だろ! つい最近まで、カララム王国とサラス帝国は、バチバチだったんだぞ!
先の大戦でも、お互いたくさん戦死者を出してるのに、国民感情とかもあるから、留学生なんか来ちゃったら、本当に、どうなっちゃうんだよ!」
『あっ! ご主人様……最悪です。なんと留学生は、アスカ・トップバリューが、この学園に来るらしいです!』
またまた、鑑定スキルから、トンデモない名前が出てくる。
「嘘だろ?! あんな事件起こしておいて、どの面下げて、この学園に留学して来れるんだよ!」
『アッ! もっと最悪な事に、これは交換留学の話だったらしいです!』
またまた、鑑定スキルの口からトンデモ発言。どんだけ、俺を驚かせるのか……。
「交換留学たって、誰もサラス帝国なんかに行きたくねーだろ!」
『ですね。それについても、サラス帝国から、ご主人様が、サラス帝国学園にと、名指しで話が来てるようですよ!』
「そんなの絶対お断りだっての!」
俺は、一体全体何が起こってるのか、話に着いていけない。
『なんか、学園長とアレキサンダー君も、揉めてますね!』
まあ、そんなの揉めるだろう。
この学園は、アスカ禍のせいで、相当メチャクチャな状態になってしまったのだ。
殆どの有力貴族の子息が、アスカの毒牙に掛かって、AV男優に成り下がってしまったし、
元トップバリュー男爵派閥の貴族達も含めて、全ての貴族がトップバリュー元男爵家を恨んでると言っても禍根ではないのである。
「あの、面倒臭いので、学園長とアレキサンダー君の映像見せてくれる?」
ちょっと、鑑定スキルを挟むのが面倒臭くなってきたので、直接、映像見せてもらう事にする。
『ですね!』
鑑定スキルが、学園長室の映像を、目の前に出してくれる。
「なんか、議論が白熱してるな……」
『ですね。どうやら、終戦決定の話し合いの時、サラス帝国の方から交換留学についての話が出てたんですけど、まさか、本当に、交換留学が行われる流れになるとは、流石のアレキサンダー君も、思ってもなかったみたいですね!』
「しかも、交換留学生が、あのアスカだろ?
サラス帝国は、どんな神経してんだよ?
どう考えても、カララム王国に喧嘩売ってるだろ?
だって、カララム王国のルイ王子とアスカの濡れ場の映像が、カララム王国で流出してるし、今も、カララム王国に住む人達にオカズになってるんだぜ!」
『アレキサンダー君、相当、怒ってますね!』
「そりゃあ、そうだろ! 折角、ルイ王子が社会復帰出来てきた所に、この仕打ちだぜ!
アレキサンダー君も、怒りたくもなるだろ!」
ちょっと、アレキサンダー君の気持ちを思うと可哀想になってくる。
まあ、全て、俺がやった事の気もするが、全てはルイ王子の身から出た錆だし。
カララム王国の制服を着続けていれば、アスカの魅了スキルなんか、掛からなかった訳だしね。
『でもって、今日、アスカ・トップバリューが、この学園に到着するみたいですよ!』
「展開早! 何で、ここまで来る前に止めれなかったんだよ!」
『それは、やっぱり、アスカ・トップバリューの魅了スキルのせいじゃないですか?
普通の人は、魅了の耐性なんてありませんし!』
多分、カララム王国とサラス帝国との国境の検問も全て、アスカの魅了スキルで乗りきって来たのだろう。
「なんか、不味いだろ……」
『とても不味いです! アレキサンダー君がブチ切れそうです。
サラス帝国側は、なんの通知もせずに、事を進めてたみたいですから!
アレキサンダー君も、今日、学校で学園長から連絡を貰ったみたいです!
因みに、学園長の所にサラス帝国側から交換留学の手紙が送られて来たのは、昨日の夕方みたいですね!』
「これ、どう考えても、アスカ・トップバリューの計画犯罪だろ?」
『絶対そうですね! 多分、アスカ・トップバリューが、サラス帝国の王子を籠絡して、尚且つ、カララム王国との戦争を終結までさせて、自分がもう一度、カララム王国学園に通えるように画策したんですよ!』
なんか、話が見えてきた。
アスカの魅了スキルなら、サラス帝国を支配する事など簡単なのだ。
多分、俺が居なかったら、今頃、カララム王国も、アスカのものになってたと思うし。
そして、俺に復讐する為に、また、カララム王国の地に戻って来たのである。
「間違い無いな……アイツ、俺に復讐する為に、戻って来たんだよな?」
『それも有ると思いますけど、アスカ・トップバリューの場合、恋愛イチャイチャキングダムの舞台であるカララム王国学園に固執してるんじゃないですか?
なので、本来モブであるご主人様を、カララム王国学園から排除して、再び、自分がカララム王国学園に舞い戻れば、全てが元通りになって、上手く行くと本気で思ってるんですよ!』
「なるほど! だから、俺をカララム王国学園から排除する為に、俺を交換留学生に仕立てて、サラス帝国に追いやろうとしてる訳か……」
『で、ご主人様は、どうするつもりなんですか?』
鑑定スキルが、心配そうに聞いてくる。
「そんなの徹底抗戦に、決まってんだろ!
アスカは、俺にリベンジザマー仕掛ける気満々かもしれんけど、アスカは完全に、俺の力を見誤ってるしな!」
そう、アスカは、俺の凄すぎるポテンシャルを知らないのだ。
実際、俺自身も、まだ本気になった自分の能力使った事ないし。もし、使ったら、この惑星は疎か、この惑星がある銀河まで消滅させちゃうみたいだし。
『ですね! ケッチョンケッチョンに、逆ザマーしてやりましょう!
そして、この機会を使って、勿論、トップバリュー元男爵のチ〇コをちょん切るという、今1番のご主人様の目的も果たすんですよね!』
「当たり前だ! 俺は、いつまでも、ナナの前に立てないお兄ちゃんのままじゃいられねーんだよ!」
俺は、とても強く、決意表明する。
『今でも、ご主人様は、ビンビンに、ナナさんの前に立って居られてますけどね!』
鑑定スキルは、何故か嬉しそうに返した。
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