第22話 ループ
目を覚ましたら、良信が顔を覗いていた。
「あ、れ。俺、寝てた?」
大きなあくびをして、聡見は起き上がった。
「んー、なんか寝違えたみたいだ。首が痛い」
起き上がった聡見は首に痛みを感じ、寝違えたのかと指で押す。コリというよりは、鋭い痛みだった。
「俺の首、ちゃんと繋がっているよな? なんか切られて取れた気分」
するすると撫でれば、良信が笑っているのが見えた。
「なに、寝ている間に何かした?」
「別に何もしてないよ。ただ見てただけ」
「本当か?」
「信用ないなあ。本当だよ、指一本触れてないから」
否定している姿が嘘をついているようではないので、聡見は良信のせいではないと信じる。
「どんな夢を見たの?」
「え?」
「何か夢を見たでしょ。どんな内容だった?」
そう言われると、聡見は夢を見た気がしてくる。しかし内容を思い出そうとすると、ぼんやりとしていて靄がかかる。
さらに首の痛みが増した。
「っ、嫌な夢だったような……」
痛みに襲われながらも、聡見は記憶を手繰り寄せて答える。
本当に嫌な夢だった。それだけは確かだった。ただ、どうして嫌だったのかを思い出せない。
首をさすって顔をしかめる聡見に、良信はさらに口角を上げた。その笑みは、まるで三日月のようだった。
「ねえ、今首はちゃんとくっついてる?」
「 え ? 」
聡見の声は落下していった。首が落ちていったせいだ。視界も落ちていく中、最後まで良信が笑っているのが見えた。
目を覚ましたら、良信が顔を覗いていた。
「あ、れ。俺、寝てた?」
大きなあくびをして、聡見は起き上がった。
「んー、なんか寝違えたみたいだ。首が痛い」
起き上がった聡見は首に痛みを感じ、寝違えたのかと指で押す。コリというよりは、鋭い痛みだった。
「俺の首、ちゃんと繋がっているよな? なんか切られて取れた気分」
するすると撫でれば、良信が笑っているのが見えた。
「なに、寝ている間に何かした?」
「別に何もしてないよ。ただ見てただけ」
「本当か?」
「信用ないなあ。本当だよ、指一本触れてないから」
否定している姿が嘘をついているようではないので、聡見は良信のせいではないと信じる。
「どんな夢を見たの?」
「え?」
「何か夢を見たでしょ。どんな内容だった?」
そう言われると、聡見は夢を見た気がしてくる。しかし内容を思い出そうとすると、ぼんやりとしていて靄がかかる。
さらに首の痛みが増した。
「っ、嫌な夢だったような……」
痛みに襲われながらも、聡見は記憶を手繰り寄せて答える。
本当に嫌な夢だった。それだけは確かだった。ただ、どうして嫌だったのかを思い出せない。
首をさすって顔をしかめる聡見に、良信はさらに口角を上げた。その笑みは、まるで三日月のようだった。
「ねえ、今首はちゃんとくっついてる?」
「 え ? 」
聡見の声は落下していった。首が落ちていったせいだ。視界も落ちていく中、最後まで良信が笑っているのが見えた。
目を覚ましたら、良信が顔を覗いていた。
「あ、れ。俺、寝てた?」
大きなあくびをして、聡見は起き上がった。
「んー、なんか寝違えたみたいだ。首が痛い」
起き上がった聡見は首に痛みを感じ、寝違えたのかと指で押す。コリというよりは、鋭い痛みだった。
「俺の首、ちゃんと繋がっているよな? なんか切られて取れた気分」
するすると撫でれば、良信が笑っているのが見えた。
「なに、寝ている間に何かした?」
「別に何もしてないよ。ただ見てただけ」
「本当か?」
「信用ないなあ。本当だよ、指一本触れてないから」
否定している姿が嘘をついているようではないので、聡見は良信のせいではないと信じる。
「どんな夢を見たの?」
「え?」
「何か夢を見たでしょ。どんな内容だった?」
そう言われると、聡見は夢を見た気がしてくる。しかし内容を思い出そうとすると、ぼんやりとしていて靄がかかる。
さらに首の痛みが増した。
「っ、嫌な夢だったような……」
痛みに襲われながらも、聡見は記憶を手繰り寄せて答える。
本当に嫌な夢だった。それだけは確かだった。ただ、どうして嫌だったのかを思い出せない。
首をさすって顔をしかめる聡見に、良信はさらに口角を上げた。その笑みは、まるで三日月のようだった。
「ねえ、今首はちゃんとくっついてる?」
「 え ? 」
聡見の声は落下していった。首が落ちていったせいだ。視界も落ちていく中、最後まで良信が笑っているのが見えた。
目を覚ましたら、良信が顔を覗いていた。
「……あ、れ……」
聡見は痛む首を押さえながら、起き上がれずに良信を見る。
「どうしたの?」
「な、んか……くびがいたくて」
「随分うなされていたけど、嫌な夢でも見た?」
「……ゆ、め……」
靄がかかる頭の中、聡見は良信に問いかけた。
「どこから、どこまでがゆめ? おれのくびは」
ちゃんと繋がっているのか。そう問いかけようとしたが、喉から声が出なくなった。
恐怖を感じながら、ゆっくりと自分の首に手を伸ばす聡見に、良信はあの笑い方をした。
「どこからどこまでが夢だろうね」
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