第17話 ダズ視点〜ヒモ男の哀れな末路(ざまぁ回)〜
あれから俺はすべてを失った。
期日までに大金の用意ができず、資産はすべて差し押さえられて屋敷もまた取り上げられた。
そのせいで男爵の地位も失ってしまい、おかげでレイドリー家は我が代で取り潰しとなった。
当然危惧していた通り平民落ちとなり、借金の片に俺は元貴族の肩書きを活かした高額な仕事を無理やりさせられている。
――そう、
「喜べダズ、お前に指名が入ったぞ。例の子爵家のお貴族様だ」
「……分かりました、オーナー」
トボトボと肩を落とし、俺はその貴族様が待つ個室へと足を運ぶ。
あのデブ親父、俺を気に入って何度も指名してくれるのはありがたいが、プレイ内容がいちいちねちっこいんだよなぁ……。
「やあダズくん、いつ見ても可愛いねぇ。今日も一つよろしく頼むよ」
個室の中で全裸になっていたその男はでっぷりとした腹を見せつけてくる。
その下で既に滾っているアレを見て、俺の尻が条件反射できゅっと引き締まった。
「メレツ子爵、本日はご指名いただきありがとうございます」
「おい、違うだろダズくん? ここではわたしのことはご主人様と呼ぶように毎回言ってるよね」
「……申し訳ございませんご主人様」
「よろしい、それじゃあいつものように犬の真似をしながら――」
「はいご主人様っ、今日もダズのことをいっぱい可愛がってほしいワン!」
憐れな犬畜生となりはてた俺は尻尾ではなく尻を振る。
ああ、この悪趣味な生き地獄はいつまで続くのだろうか……。
(了)
__________
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