第3話骸と少女
骸:・・・お嬢ちゃん、これはどういうことなんだい?
少女:・・・ふふふ
骸:・・・おい
少女:あっはっはっは!!
少女:骸骨さん、バラバラになっちゃったね
骸:・・・お嬢ちゃん?
少女:命が枯れる様子はどう?骸骨さん
骸:説明してくれ、これは一体どういうことなんだ!?
少女:私は魔女よ
骸:・・・魔女?
少女:そう、だから私の体に結界を張って骸骨さんの命を吸い取る魔法を掛けたの
少女:これが私とお母さんにしか出来ない魔法よ
骸:・・・お母さん?まさか
少女:そう、あなたが殺した魔女、美麗の娘だよ
骸:・・・っ!?
少女:遥か大昔?そりゃあそうだよね、魔女は一定の歳を重ねたらそれ以上は歳を取らない
少女:私だってもう何百年も生きてるよ
骸:そうか・・・あの時のお嬢ちゃんの娘だったのか
少女:骸骨さんも、やっと仲間のところに逝けるね
少女:ちなみに骸骨さんの仲間を枯らしたのは私だよ
骸:仲間を枯らしたのも君か
骸:ああ、そうだな、そういうことなら仲間のところに逝くのも本望かもしれない
骸:でもな、一つ聞いてくれお嬢ちゃん
少女:今更何も聞きたくないよ!!
骸:いいや、聞いてくれ、確かに私は君のお母さんの命を奪った
骸:でも、これも私の仲間のせいなんだ
少女:仲間のせいにしてんの?バカじゃない!?
骸:ああ、仲間のせいにするのも良くは無いな
骸:でも、私の仲間が君のお母さんを追い詰めたんだ
骸:そして、君のお母さんは高い崖から飛び降りてそのまま地面に叩きつけられた
骸:まだかろうじて息はしていたがもう助からない
骸:だから、その時に私に命を預けてくれたのさ
骸:最後に一言
骸:娘に会って欲しいと言葉を残してね
少女:お母さんが?
骸:うん、だからさ、私はこんな結果でもお嬢ちゃんに会えてよかった
骸:君のお母さんの命が報われた
少女:今更なに・・・作り話でしょ?
骸:信じるか信じないかはお嬢ちゃんに任せる
骸:だけどね、この廃れた墓地には昔、沢山の人達が居たんだ
骸:私は人の暖かさを学び、命の尊さを知った
骸:昔のようにまた人と暮らせる日を夢見ている
骸:こんな哀れな骸骨を、お嬢ちゃんは笑ってくれるかい?
少女:・・・なんで!なんでそんな優しい顔するの!?
骸:おお、お嬢ちゃんには骸骨の表情がわかるのかい?
少女:・・・わかるよ
骸:うん、でも私を枯らせたことは後悔しないでくれ
少女:後悔なんてしてない!
骸:そうだろうね、もし後悔してるならお嬢ちゃんにこの言葉を送るよ。最近覚えた言葉なんだ
骸:七転び八起き
少女:・・・さよなら
骸:うん、さよなら
少女:・・・はあ
少女:お母さん、私がやった事は後悔してないよ
少女:でも、また起き上がらなきゃ
:〜END〜
【声劇台本】骸と少女【サシ劇】 ゆる男 @yuruo
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