第2話命と少女

少女:ねえ、骸骨さん、私の住んでる世界ではこんな言葉があるんだよ


骸:なんだい?


少女:七転び八起き!


骸:七転び・・・八起き?


少女:そう!何回倒れても何回でも起き上がるの!


少女:このだるまさんだってそうでしょ?


骸:うん、確かにそうだね


少女:だから、骸骨さんももしかしたらあと200年、何回も転んじゃうかもしれない


少女:でもさ、7回転んでも8起き上がればまたいい事が起こるんだよ


骸:お嬢ちゃん・・・


少女:骸骨さんは200年生きるから7回転ぶどころじゃないかもしれないけどね


骸:まあそうかもしれない


骸:でももう私は一人だから転ぶこともない


少女:そうなの?


骸:ああ、だからその言葉はありがたいけど私には関係なさそうだ


少女:じゃあ骸骨さん、私の住んでる世界に来てよ


骸:なぜ私が!?


少女:私、どうしても会いたい人がいるの


骸:会いたい人?


少女:うん、お父さんに会いたい


骸:会いに行けばいい、この廃れた墓地も前に進めば光が見えるはずだ


少女:ううん、会えないんだよ、お父さんはどこにいるかわからない


骸:それなら探せばいいだろ


少女:探せないの


骸:なぜ!?


少女:私、病気持っててね、あと1週間も生きられないの


骸:・・・何故それを早く言わない!


少女:なんでって聞かれないから


骸:ここから外の世界に行くには2週間はかかるぞ?


少女:そう、だから会えないの


骸:だから私に頼んだのか


少女:うん、骸骨さんにしか頼めないよ


少女:そうだ!骸骨さん、私の命貰ってよ


骸:・・・そんなこと出来るわけないだろ


少女:どうせあと1週間だよ?それなら骸骨さんに命あげた方がいいでしょ


骸:私は無理に長生きしなくてもいいんだ


少女:長く生きてよ!私の分まで!


骸:仲間を失った私に生きる希望なんてない!


少女:仲間ならいるよ!私が骸骨さんの仲間だよ!


骸:・・・お嬢ちゃんは今日初めてあったばっかじゃないか


少女:だから何!?時間なんて関係あるの?


少女:骸骨さんの仲間は何百年の付き合いかもしれないけどさ


少女:私だって一人ぼっちだったから骸骨さんに会えたの嬉しかったんだよ!


骸:・・・お嬢ちゃん


少女:私はもう会いたくても会えない人が沢山いるの!そしたら骸骨さんがその人達と仲良くなってよ


少女:私は骸骨さんと違って長く起きられないんだからさ


少女:お願いだから・・・私の命、貰って?


骸:・・・はあ、じゃあわかったよ


少女:え?


骸:お嬢ちゃんの命貰ってもいいかな?


少女:ほんとに!?


骸:うん、その前にお嬢ちゃんの会いたい人がどこにいるか教えて?


少女:この紙に書いてある


骸:やけに準備いいな、貰っとくよ


少女:どうやったら命あげれるの?


骸:こうやって手を伸ばして


少女:手を伸ばして


骸:私の手に触れてくれ


少女:うん、じゃあ、行くよ?


骸:ああ、そのまま手を伸ばしたら


少女:抱きしめるんでしょ?


骸:・・・???


少女:骸骨さんの命・・・貰っとくね


骸:・・・お嬢・・・ちゃん?

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