第14話

さんにんのいる部屋で言い表せない、不思議な気持ちが心に響く。


〈きみたちは、さんにんで夫婦になるのかい?〉


全員が赤面した。

この魔法の発現する世では時折。人ならざるものが語りかけてくる。それをお告げとも、気の迷いとも人々は取り。ある者は成功を、ある者は破滅を経験していた。クロエとギンカは動じなかったが。お告げの意味するところに恥ずかしさ、望むところだという気概、だがどうしたら、と。

 少年らしい心をどぎまぎさせていた。


〈まあ。会えるのはやっぱり今日だけだよ?このままだと〉


さんにんがはっとした。どうしてだろう。


〈物語はもう、コトハが必ず書いてくれる。人生の節目節目でも。出来が悪くてやっつけでも時間をかけて。でもね、どうだろう、さんにんで夫婦。は叶えられるかなあ、わたしは〉


 この世の不思議な存在が、考え込んでいる。クロハとギンカは、火花を散らすことはなく、反対に不安そうな顔をお互いに向けていた。生涯の伴侶としたいひとが、兄弟で同じだなんて。

 なんてことはない。どちらかが別の人を見つければいい。そう思った時、たまらなくふたりで悲しくなった。その悲しみが、なぜかコトハにも伝わる。

 だから、ふたりともずっとふたりだけで生きていく未来なの?なにがふたりをそこまで切なくさせるの?

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