第9話
目が覚めると。
そこは、家の部屋の寝具の上だった。
どうして?
そろり、と立って。自分の姿を見る。
うららかな陽気にお昼寝していた、
10歳の、コトハ。苗字は、しっかり覚えている。
勉強机の上に、不思議な紙が一枚あった。
あいされすぎても、こまってしまうね
こうかいてある。
やがて、紙は、半透明になって消えた。
「クロハは?ギンカは?」
ゆめのことをはなしちゃいけなかったの?それとも、ぜんぶゆめなの?なやみがらくになるはずだったのに。
そんなことは、えいきゅうに、ないのだろうか。
お父さんのへやからコピー用紙を10枚くらいひっぱって出してきて。えんぴつを持つコトハ。
おもいだせない。
なまえがおもいだせない。
いい、おもいだせなくてもここまでのものがたりを作文していこう。そうすれば、思い出すかもしれない!
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