第7話

どうして?!


「あんなに人を救えるのに!」


〈ギンカじゃ救えない?〉


声は意地悪な事を言う。


〈ごめんね、ギンカは君を救える〉


でもね、


〈クロハを選んだら、今度はギンカの力が消える。髪色の力はわからないけどね〉


コトハは、


「いますぐ帰りたい。お父さんとお母さんに会いたい。家に帰りたい」


スカートのすそをゆらして、ブラウスの胸を緊張で上下させて。

考えていた。


〈ふたりとも嫌になった?そうなるとね、あのふたりは一生、ふたりだけで生きていくんだ。なぜだろうね〉


時間は止めてある、だから、今夜ふたりといてごらん。だいじょうぶ。ずっとわたしが起きているから。ふたりのおひめさまで、妖精さん。

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