第6話

ずっと、導くような、留まるような声がしていた。


〈クロハを選びなさい。コトハ〉


「どうして?」


〈悩みがあるだろう?それをね、クロハはやさしくつよくおまえをあいして、うすめてくれる。前より外に出やすくなるんだ〉


「ギンカをえらんだら?」


〈ギンカが好きかい?〉


はずかしくてこたえられない。


〈ギンカはね、まわりの偏見も君の苦労も全部背負い込んで、七色の水晶を売ったり、君の髪色を明るくしたり慈しんでくれるよ〉


「ならギンカのほうが、」


〈でもね、〉


〈そうすると、クロハの力が消える〉


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