第2話

日本の関東に住む、10歳のとあるコトハちゃんには生まれつき。体の顔か、あるいはどこかに、アザのような、傷のような。

とにかく一生消えない、本人がいつか気にして辛く悲しく、泣きたくなるような宿命を持つナニカがあった。

しかし、そこへ、家の庭の池からある日。

錦鯉が語りかけてきたのだ。

「異世界に行き、わたしの求める溺愛、甘い、慈愛、そうしたなにか、特別な物語を書きなさい。必要な言葉は、理解できる範囲で心へ流し込みましょう」

ポケモンGOでコイキングを捕まえていた、身体にナニカを背負うコトハちゃんは水のアーチを通り。

火の天井を見て、風の階段を下り、木の壁をつたい、金属の蝶に導かれ、なにがなんだかわからぬうちに。


目の前に、クロハとギンカという、運命の少年ふたりと出会う。


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