第2話 模擬戦

<入学式での話しが終わり、決められたクラスに移動した>


「お兄ちゃんお兄ちゃん」

「ん?どうした?」

「隣に座ってもいい?」

「好きにしたらいいよ」

「やったー!」

「なあラル」

「なに?ルガ」


<ルガン·ルガ

 ガリンシ国騎士団の副騎士団長の息子。

 ラルの事をよく思っていない。

 ラルの事をよく思っていない為、カラから嫌われている>


 ルガなんなんだよ!

 お兄ちゃんとの幸せの時間だったのに!

 お兄ちゃんの事よく思ってないくせに!話しかけんな!

 マジで嫌いなんだけど!


「俺と模擬戦をしろ!」

「なんでしないといけないんだ?」

「ガリンシ様が言っていただろ!

「実力が知りたいなら、決闘の日はあるが。

模擬戦をしてもいい」と!」

「めんどくさい」

「は?めんどくさいだと?あ!分かった。

怖いんだな?ガリンシ様に「強いと言って!」て頼んだろ?」

「お兄ちゃんは頼んでもいないし。

お兄ちゃんは強いんだぞ!」

「無属性だぞ?強いわけが無いだろ!」


 うわー…スッゴい空気だな…

 まあ俺のせいか。

 めんどくさいけどやるしかないよな。

 ルガに勝つ所をみせれば模擬戦の申し込みは来ないだろ。


「分かった。

模擬戦やろうじゃないか」

「じゃあ闘技場に行くぞ!」


<闘技場に向かう。

 他の新入生達も闘技場に集まってきた。

 騎士団長の息子VS副騎士団長の息子だからだろう。

 それか、ガリンシが言っていた事が本当なのかをみに来たのだろう>


「それでは。

アラン·ラルとルガン·ルガの模擬戦を始める。

ルールは魔法と魔剣無しの対戦。

審判は両者の担任ザルドがおこなう。

両者、準備はいいか?」


<アラン·ザルド

 ラルとカラの叔父であり。

 マズリの父親。

 マズリの前の騎士団長であり。

 今の騎士団にいるメンバーは、だいたいがザルドの弟子。

 ラルとカラのクラスの担任として働いている>

「大丈夫です」

「大丈夫です」

「模擬戦開始!」


<ザルドの言葉で試合が始まった。

だがそれは、一瞬の出来事だった。

ルガの持っていた木剣は、ルガの後ろの地面に突き刺さり。

ラルに横倒れされ、ラルはルガの首に木剣の先を置いた>


「試合終了。

勝者、アラン·ラル」


<観客席からは何も言葉が聞こえなかった。

 それはそうだ。

 一瞬で試合が終わったのだから。

 ラルの強さを知っている者は、驚きの顔をしていないが。

 ラルの強さを知っていない者は、驚きの顔をしている>


「皆驚いているみたいだね。

最弱と言われていたラルが、一瞬で試合を終わらせたのだから。

最弱というのは1つの情報だ。

それが真実とは限らない。

決闘の日まで休みだが、特訓を忘れないように」


<その場にいた者達は、ガリンシから言われた事の返事が「はい!」だった。

今回の模擬戦をみて燃えたのだろう。

自分もこんなに強くなれるんじゃないかと

だが1人だけ返事はしなかった」


<双子は家に帰った>


「疲れた寝る」

「お兄ちゃんお疲れ様!

僕の膝に頭乗せていいんだよ?」

「遠慮しておくよ。

枕に頭乗せたい」

「じゃあ隣で寝てて良い?」

「好きにしたらいいよ」


<2人が話している時に扉が開いた>


「お邪魔するよ」

「お爺ちゃん!」

「爺ちゃん!」

「模擬戦一瞬だったな。

どうだ?育てがいがあると思うか?」

「分からないよ。

本気出してないのに一瞬だよ?

だから聴きに来たんでしょ?」

「分かっておったか」

「でも、道には外れる可能性高いよ」

「そうだな。

神に返事をしなかった、魔肉の勧誘に乗ってしまうかもな」

「それだけの為に来たんじゃないんでしょ?」

「そうじゃな。

今から出掛けようか言いに来たんじゃが寝るんだろ?」

「暇だったから寝るだけだよ。

だからついていく!」

「カラはどうする?」

「爺ちゃん決まってるよ!ついてく!」

「久しぶりに3人で出掛けるぞー!」

「おー!」

「おー!」


<教会>


「ガリシン様、ルガン·ルガルンです」


<ルガン·ルガルン

 ルガの父親。

 副騎士団長として働いていて、ガリシン国で2番目の最強魔剣士。

 だが、ラルが魔剣を使えれば、ルガルンはガリンシ国で3番目になる>


「入っていいぞ」

「失礼します」


「呼び出した理由は分かるか?」

「ルガの件でしょうか?」

「そうだ。

ルガだけが返事をしなかった、魔肉に誘われたら…」

「分かっております。

道には外れる可能性があると」

「そうだ。

魔肉について知っているはずだが、強くなると言われたら…

外れる可能性がある。

十分気を付けておけ。

最悪の場合魔人になる」

「分かっております。

家の者達にも伝えておきます」

「分かった。

それでは仕事に戻っていてくれ」

「分かりました。

失礼しました」


 最悪の場合…親として。

 父親として討伐しなければいけない。

 ルガ…道には外れるなよ。



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