コネで魔剣学園に入学

かいとも

第1話 入学式

 今日はパパとママに「話があるからリビングに来て!」と昨日言われたけど…仕事は?

 ママが仕事の休みなら…まあ、分からんでもない気がする。

 でも…パパは駄目!騎士団の仕事無いの!?休んでもいいの!?

 まあ、パパが決めた事だからいっか。


「パパとママもう居たんだね」

「ああ、休みが取れたからな!

速く話しを終わらそうじゃないか」


<アラン·マズリ

 ラルとカラの父親。

 騎士団長として働いていて、ガリンシ国で1番最強の剣士。

 だが、ラルが魔剣を使えれば、マズリはガリンシ国で2番目になる>


「私も休み取れたから、マズリと同意見」


<アラン·ナンマ

ラルとカラの母親。

ガリンシ国の魔剣学園の学園長>


「ママが休み取れるのは分かるけど。

パパが休み取れるなんてね」


 ママの学園長の仕事は、ママが休んだとしてもガリンシ様の従者が働いてくれるけど。

 パパは騎士団長、魔肉の組織を潰せてないのに休めるなんて。


<魔肉 まにく

 魔物の肉を食べると強くなれるが、自我が無くなり暴れ回る。

 魔肉の組織は、神がいらないと思っている者だけが入っている組織。

 神を殺そうとしているが、騎士団の守り等があり殺せていない>


「魔肉はいいの?騎士団長でしょ?」

「大丈夫だぞラル!

それに、ガリンシ様の所に攻めてきたら、ラルに報告するからな。

世界最強さん」

「世界最強さんは辞めてよ。

世界最弱として生きてるんだから」

「話しは終わったかしら?本題の話しに移っていいから?」

「マズリ大丈夫だよ」

「ママ大丈夫だよ」


 話しか…いったいなんなんだろ?


「ラル、魔剣学園に入学して?」

「無理」

「なんでよ!」

「なんでよ!じゃないよ!

世界最弱として生きてるんだよ?

魔剣学園に入学したら、コネ入学って言われるかも知れないよ?」

「知ってるわよ?」

「知ってるならなんで言ったの?」


<魔剣学園

 魔剣学園は騎士団に入れるかもしれない学園。

 騎士団の仕事は、死と隣り合わせの仕事。

 だから、入学試験の成績が良くないと入れない。

 騎士団に入れなくても、魔剣学園を卒業したという肩書きがある。

 だから、普通科か騎士団科を選べる>


<普通科

 魔剣学園の入学試験を突破する事で、普通科か騎士団科を選べる。

 普通科は、騎士団に入りたくは無いが、魔剣学園を卒業した肩書きが欲しい人が選べる。

 魔剣学園を卒業すれば、入りたい仕事に受かりやすい>


<騎士団科

 魔剣学園の入学試験を突破する事で、普通科か騎士団科を選べる。

 騎士団科は、騎士団に入る事が出来るかも知れないチャンス。

 騎士団に入れなくても普通科と同じで、入りたい仕事に受かりやすい>


「どちらに入学させる気ですか?」

「もちろん騎士団科だが?」

「普通科は分かりますが、騎士団科は絶対に無理です!

確実にコネ入学って言われます!」

「世界最強だしな」

「ねー」

「無属性が入学したと聞いてません。

ですのでお断りします」

「ラルが最初の人間になるじゃない!

それに、カラを守るためでもあるのよ?」

「どういう事?ママ」

「俺から言わせてもらう。

ラルだって知っているだろ?急激にSランクの魔物が消えている」

「魔肉が狩っているからでしょ?あ…」


 魔肉で作る薬は、魔物のランクによって強さが変わっていく。

 Sランクの魔物が急激に減ったのは、魔肉で作る薬の為。

 騎士団の人数を減らしたいはずだから、騎士団科の生徒が殺される確実が高い。

 だけど騎士団科に入学出来る生徒は強い。

 狙われる時があるとしたら…決闘の日か。


<決闘の日

 決められた日に行われる学業。

 学年別で1対1をする。

 ランキング形式なので、同じ学年でどれだけの強さかも分かる>


「入学しますよ。

ですがどうするんですか?」

「どうするんですか?って何が?」

「コネ入学と必ず言われます!」

「コネ入学コネ入学って…

お前は世界で1番強い魔剣士だ!

魔剣無しの剣対剣でもお前は強い剣士だ!

コネ入学ではない!」

「分かりました」

「父さん、母さん、お兄ちゃん、おはよう」

「おはよう」

「おはよう」

「おはよう」

「何の話ししてたの?」

「ラルが魔剣学園に入学する」

「お兄ちゃん入学するの!?」

「入学する事になったよ」

「やったー!」


 一緒に入学する事が嬉しいのかな?

 それ以外の「やったー!」の意味が分からないしそういう事だよな。


 お兄ちゃんと入学やったー!

 お兄ちゃんと一緒のクラスがいいな!

 お兄ちゃんの隣にずっと居たいよ!

 同じクラスになれば席は自由だから、お兄ちゃんの隣にいる!


「じゃあ寝てていい?」

「寝るの?」

「4人で出掛けるなら寝ないけど、出掛けないなら寝るよ」

「ナンマと一緒に出掛けていいか?」

「好きにしたらいいんじゃない?」

「私は嬉しいけどカラはどうしたい?」

「お兄ちゃんの隣で寝る!」


 父さんありがとーお!

 夜は一緒に寝れないけど、「夜以外なら一緒に寝ていいわよ」って許可されたから寝るぞー!


「じゃあ出掛けてくるわね」

「行ってらっしゃい」

「行ってらっしゃい」


 2人は出掛けたし寝ますかね。


「一緒に寝るの?」

「うん!」

「どこで寝たい?」

「お兄ちゃんはどこで寝たいの?」

「カラが寝たい所ならどこでもいいよ」

「お兄ちゃんのベッドで寝たい!」

「じゃあ行こうか」

「うん!」


「おやすみ」

「お兄ちゃんおやすみ」


 一緒に寝たいのは何でなんだろ?

 匂いも嗅ぎまくってるし…まあいっか。


 お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん。

 お兄ちゃんの匂い!お兄ちゃんを毎日包んでる上布団!

 お兄ちゃんの匂いお兄ちゃんの匂いお兄ちゃんの匂いお兄ちゃんの匂いお兄ちゃんの匂い。

 もう最高!お兄ちゃんにも前から抱きしめられてる!

 お兄ちゃん!に包まれてる!


<入学式当日になった>


 あー!お兄ちゃんの隣の椅子に座ってる!

 マジで最高!母さんが学園長だから、一緒に来て。

 新入生だれも来てなかった時間最高だったのに…

 新入生が入ってくるたびに。

「なんであの最弱がいるんだよ!」とか。

「コネ入学かよ…最弱のくせに!」とか。

「アラン家の恥さらし」とか。

 新の姿を知らないくせに!今幸せに過ごせてるのはお兄ちゃんのおかげなのに!


 新入生が全員入って来たのかな?

 暗くなってきた。


「初めましての方はいるかな?

初めましての方は初めましてガリンシだ」


<ガリンシ

 ガリンシ国の神。

 火属性の神。

 水属性の神の夫>


 ガリンシ様だ。

 自分の国の学校だし、入学式に来るのは当然か…当然なのか?まあいいや。

 いったい何の話しをするんだろ。


「思っている者が多いが。

ラルはコネ入学ではない」


<ガリンシがコネ入学ではないと言ったが、新入生達は言い出した。

「ガリンシ様なんでコネ入学じゃないんですか!」

「ラルは世界最弱ですよ!」

「アラン家の恥さらしの最弱ですよ!」

「世界最弱が入れるわけありません!コネ入学じゃないですか!」

 周りから色々と言われていた>


「皆が言いたい事も分かる。

だがな。

ラルは無属性だが、剣士としての実力は2桁以内に入る実力だ。

だから、騎士団科の者達より剣士としては一番強い。

だから入学する事になった。

実力が知りたいなら、決闘の日はあるが。

模擬戦をしてもいい」


 ガリンシ様!?

 剣士としての実力は2桁以内と。

 騎士団科の者達より剣士としては一番強い。

 言わなくてよくないですか?

 無属性が騎士団科に入る事は今までに無かった事。

 だけどそこまで言う意味ありますか?

 模擬戦なんてしたくないですよ!ガリンシ様!

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