第4話 まだ僕は君を知らない

はじめの一歩は、ハリウッドだった。ちょうどメトロ地下鉄が拡張されたいた時で、まだハリウッド/ハイランドの駅は無かった。空港の旅行者案内みたいな場所で、「一番安く泊まれる所」をお願いしたら、このユースホステルに辿り着いた。もしかしたら、ダウンタウンだったかも知れない。もしかしたら、サンタモニカだったかも知れない。でも、ハリウッドだった。


君に会えるための始めの一歩。君もまだ僕を知らない。


約一年くらいしてダウンタウンのリトル東京近辺に移った。ゼロから始めたアメリカ生活が、なんとなく上手く行き…超格安の日本人街のホテル(?)に移った。昼間は職業訓練みたいな地域の学校へ通い、空き時間にオープンしたばかりのコリアン/アメリカンスタイルのレストランで働き始めた。


「もういいかい?まーだだよ。」


僕は…そして君も一歩近づいていた。

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