第3話 Room A

少なくとも守られていた鉄の塊がとうとう着陸。隣りの席の男の子に励まされ、「ありがとう。」をして…右も左も分からないアメリカにいざ入国….のはずだった。


今思っても僕は運が良かった。とても知識がなかった。入国審査の書類に宿泊先も記入せずに手続きをしようとしたものだから(実際、どこに行くのか分からなかった。)Room A に送られた。それでも無知だから何が起きているかわからなかった。

Room A というのは、入国審査の端っこのスペース。まだほかの旅行者と共有できた。(この後 Room Z を知る…完全隔離!この話は後ほど。)


隣りの席の男の子の電話番号を見せて、「少しいろいろな所…ソルトレークシティ(ユタ州)…を旅して、この人の所に泊めてもらう。」とか何とか片言の英語で話してメモを見せて、やっとこさ入国できた。今考えても無謀だったと思う。カリフォルニアに降りた僕は何故ユタに行くんだろう???


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