ケケハレケケケ

昼食に香典返しの海苔をまくケケハレケケケ我がケ誰がハレ


何一つめでたかないが赤飯を夕飯に食う焦げた魚と


6月の雨よリラの花のごときれいなかたちであなたに注げ


前髪を指で整えるように腐ったミツバちぎって捨てた


青白い肉をのぞかせ砂を吐くしじみ見ながら何か呟く


ああ今日はツイてないから夜までは割ったコップを弔い過ごす


洞窟で壁画を描くひとのよう真夜中の本棚を撫でる


病院のスリッパ履くところのどこまで土足だか分からないとこ


明日までに自分を少し捨てたくて、耳かきをする爪を切るなど


本当は雨に打たれたいから今夜横たわっても毛布を着ない


骨壺はこれがいいなと呟いた声をとりあえずは仕舞っとく


洗面所、「鏡よ鏡」僕は問う「今日という日は美しいかい?」


数頁残っていると思い込み開いた先のあとがきのよう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る