旅へ

旅行鞄、荷物はぴったり収まって、ワタクシだけがはみ出している。


旅先で食べなかったチョコレート証拠のように冷やされている


旅先で買ったキャンディー濁ってくその白濁が思い出の色


旅先で落とす指輪は思い出の証海辺で貝殻を摘む


「植えとくと函館の芽が出るかもよ。」君が言うから石を拾った


海に来た人が家路に向かうとき今度は砂の旅が始まる

『 旅 』


奈良帰り電車の席は夫婦鹿、尻を並べたようねと比喩る。


お土産が増えるばかりだ会いたさを背負って歩いてLINEだけする


火の消えたケーキの上の蝋燭は死神がまたリサイクルする


アパレルの店員さんが撮る壁がある私より撮られなれてる

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