第3話

 道中にある食べ物を採取しながら、進んだ。僕達の世界にもある木苺のようなものや、ブルーベリーみたいなものもあったので摘んでいった。

 

 僕のアイテムボックスには部屋が入っているので、美愛のアイテムボックスに食べ物をたくさん詰めていった。


 「もうすぐで、人間に会えるぞ!」


 「本当だ、もう見えてきそうだね」

 いつのまにか僕達は4kmも歩いていた。


 マップによるとすぐ近くにいると表示されていた。

 

 シュッ!


 突然何かが顔の近くを通り過ぎていき、風を感じた。それは僕の顔を掠め後ろにある大きな木に刺さった。周りを警戒しつつ何かが刺さっている木を見てみると、それは先の尖った矢だった。


 「ゆうと、ここから北の位置に4人こっちを見てる」

 敵に聞こえないように小さな声でみあが話してきた。


 「ありがとう、みあ。」


 「すいません。僕達怪しい物ではないのですが」

 少しずつ人間のいる方に近寄っていき、安全をアピールした。

 こんな言葉言われたら余計に怪しく思ってしまうよね。

 でも実際この場面に出くわしたらこの言葉しか言えない。

 

 この世界の人である者たちは僕達が武器を持っていないことに気付いたのか、僕達に近づいてきた。


 「君たちこんなところで何やってるんだ、よく見たらまだ子供じゃないか」


 話しかけているのは推定15〜20歳。長身で180cmくらいあるだろうか。髪の色は金髪、腰には剣を携えている。白と黒と金色で作られた服は見るからに高級そうだ。おそらくどこかの貴族なのであろう。他の3人も金髪の男の服よりは劣っているが良さそうに見える。

 おそらくこの金髪の護衛だろう。


 よし、言葉は理解できるみたいだ。


 金髪の男は僕達を上から下まで見て、不思議そうな顔をした。


 「君たちはどこから来たんだい?」

 僕達の服が見慣れない物だったからか気になったようだ。


 「僕達、急にここに転移されたんです。ここは一体どこなんですか」


 別の世界から来たと言っても信じてくれるはずもないので、別の世界から来たということ以外の事実を話した。なのでこの世界の別の場所から転移したと思っているだろう。


 「ここは危険なモンスターがたくさんいるので冒険者以外は滅多なことがない限り立ち入らない場所だ」


 「僕達、急に飛ばされたのでどこに向かえいいのかわからなくて近くの街まで案内していただくことはできないでしょうか」


 「近くにミリタリア王国がある、私達もそこから来てるんだ。ちょうど今から帰るところでしたので、案内しますよ」


 「「ありがとうございます」」


 「僕の名前はゆうとです」

 「私はみあです。あなた方のお名前は?」


 「ユートさんとミアさんですね。申し遅れました、私ミリタリア王国第一王子アレンと申します」

 「私はミリタリア王国第一騎士団団長のフレアです」

 動きやすさを重視した服装をしたこの女性は団長さんであったのか。

 「私は第一騎士団所属ダンテです」

 「同じく第一騎士団所属ラモンです」

 この2人体がしっかり鍛えられているのが服の上からでも分かる。


 「「よろしくお願いします」」


 僕達は運良くいい人たちに出会うことができたようだ。まさか近くの街の王子と騎士団の団長さんとはこの旅は上手くいくのではという期待が上がった。



 

 

 

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天才双子の異世界革命 御野影 未来 @koyo_ri

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