第91話 おごれる者は久しからず
【サファイアside】
七之助と栞ちゃんが真剣に話し合いをしているので耳をすますと、
「えっ、立ち退きですか ?」
栞ちゃんが驚きながら七之助を見つめている。
「うん、まだ非公式らしいんだけど、商店街とウチの店の辺り一帯に巨大ショッピングセンターを建てる計画があるらしいんだよ。
USOYOグループのオーナーであり
今の七之助の店は、前オーナー夫婦から居抜きで七之助が買い取った店だから、いくら巨大資本を持っている会社でも強引に地上げなんて出来ないと思うんだけど。
「商店街も含めてウチも反対しているんだけどね……」
七之助の話しだと、都会からヤクザが各お店に来て嫌がらせが始まったみたい。
「警察に相談しても『民事不介入』を理由にして相手にしてくれないんだよね 」
ああ、それは絶対にグルだね。
「それなりの立ち退き料金をもらえるなら、まだ検討するんだけどなぁ~ 」
「
あまりにも酷いですよね 」
栞ちゃんの言葉に、この場に居た妖怪たちは頷いている。
「慢心党の
与党の自滅党の
七之助と栞ちゃんが落ち込んで暗く成っている姿を見ていたボク達は怒っていた。
世の中は理不尽なモノだけど、あまり調子に乗っていると痛い目に会うと云うのを教えてあげよう。
「ウチの本屋の隣が空き店舗に成っているから、良ければ移転も考えてくださいね 」
栞ちゃんが心配して七之助に移転をすすめているけど、そんなことはさせないよ !
今の七之助の店は、ボク達 猫の聖域に成っているんだからね。
♟♞♝♜♚♛
ボクは、さっそくユカリンに相談した。
『立っているものは親でも使え』
と言うしね。
「それで、わたしにどうしろと言うのかしら、サファイアちゃん 」
ニコニコしているけど、目が笑って無いよ、ユカリン。
「うん、USOYOのショッピングセンターは別名で商店街クラッシャーと言われているんだ。
だからね、オーナーの
上目遣いでお願いする、ボク。
猫好きなら、ボクの魅力でイチコロなんだけど……
「サファイアちゃんも甘いようね。
七之助のおじさまを困らせているのだから、貧乏神の大将である カイザーボンビーを派遣させましょうね 」
アレ、頼む相手を間違えたかな。
まっ、いいかぁ~。 因果応報というしね。
ユカリンの仕事は早く、一週間後には
また、平三の方も数々の違法行為が報道されて議員辞職をした。
まあ、それでも彼らはマシな方だろう。
妖怪たちや桃姫に生きたまま地獄に連れて行かれて閻魔大王の裁判を受けるようだ。
口先だけが上手い政治家も閻魔大王に嘘や誤魔化しが通じないだろうから、どんな裁判に成るか見物だね。
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