第74話 夏休み、 さくらとタヌキ娘は七之助一家と一緒にキャンプ場に行く ! ②
【さくらside】
キッチンカーの横には『お好み焼き屋 火の車』の文字とお好み焼きのイラストが描いてある。
「ウチ、参上 ! 来たでぇ、
一緒にデートや !」
十八番のガールフレンドの右京ちゃんは、既に水着に着替えて準備万端だ。
「どうや、ウチの水着姿にメロメロやろう !」
シナをつくりウインクする右京ちゃん。
平然としている十八番くん。
苦笑いしている、お兄ちゃんと栞ちゃん。
恥ずかしそうにしている
「かわいい水着だね、右京ちゃん」
と、褒めているマイペースな八重ちゃん。
キッチンカーをオープンして、魔魅ちゃんが準備を始めた。
「みんな、お昼まだでしょう。
用意してきたから、沢山食べてね 」
今や、火の車のお好み焼きは有名で行列のできるお好み焼き屋として商店街の看板店に成っていると、お兄ちゃんから聞いている。
八重ちゃんと十八番が、さっそくお好み焼きを頼むと、
「よっしゃ! お好み焼き一丁! 特大にしといたるで!」
魔魅ちゃんに代わって右京ちゃんが張り切って返事をした。
生地を、鉄板が透けて見えるほどに薄く伸ばし、パリッと香ばしく焼けた皮の上に、大量のキャベツをぶちまける。
その上に、天かす、豚肉。 それとは別に、焼きそばを焼き、たっぷりのソースを絡める。
そして焼きそばの上に、お好み焼きを乗せて、取っ手付きの鉄板でプレス。
さらに、間髪入れずにソースが塗られて、完成だ。 零れたソースが鉄板の上でじゅうじゅう音を立て、たまらない匂いがしてくる。
焼きそば、キャベツ、生地、それにタレ。層状に重なった姿は、見るからに美味そうだった。
「よし! 出来たで!
冷めないウチに食べてや、十八番 !」
取り分けた熱々のお好み焼きを紙皿に乗せて十八番に渡す右京ちゃん。
その姿を見て、みんなが微笑ましい笑顔をしている中、八重ちゃんは フーフーとお好み焼きに息をかけながら美味しそうに食べていた。
マイペースだなぁ~、八重ちゃんは。
お兄ちゃんにソックリだね。
お好み焼きは、ボク達にも振る舞われたけど、熱さを物ともせずにガツガツと食べるタヌキ娘と違い、文字通り猫舌のボクは必死に息をかけて冷まそうとした。
そんなボクを見かねたのか、栞ちゃんが一緒に成ってお好み焼きを冷ます為に息をかけてくれている。
こんな優しい栞ちゃんだからこそ、お兄ちゃんのお嫁さんとして認めたボクの目は間違っていなかったんだと思った。
♟♞♝♜♛♚
【
ダラダラとヨダレを
鼻をヒクヒクさせながら、
「ううぅ~、拙者も
雫殿、後生でござる !
拙者も
サファイアめ、人選を間違えおったな !
後で文句を言ってやるとして、コヤツにも説教をしなくては。
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