第65話 道草、寄り道、回り道 ⑤
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
【サファイアside】
不味いよ、まずいよ、完全に
── 童よ、名を教えてくれぬか ? ──
螭の問いに二人は元気良く応えた。
「わたしは福岡田八重と言うんだよ、ヘビさん ♪ 」
「僕は福岡田十八番と言います、水神さま 」
── ウム、二人とも良い名をしているな。
良ければ、妾に名を付けてくれるかの ? ──
ポン !
再び、人間に化けたボクは飛び出していた。
「勘弁してよぉー、二人とも !
お願いだから、これ以上 厄介事は許してよぉー !」
しかし、二人は螭との会話に夢中に成っているのか、
「ニョロニョロ ! 」
「『アクア』は、どうでしょうか ? 」
名付けをしようとしていた。
双方、合意しないと成立しないとは云え不安しかない。
タマのように
── 却下じゃ! 妾は、ム◌ミンの謎生物では無いし、何処ぞの水の駄女神と同じ名は御免こうむるのじゃ ──
ホッ、どうやら二人の名付けのセンスに助けられたようだね。
特に八重は七之助に似たり寄ったりの名付けのセンスをしているせいか、変な名前を付けたがるんだよ。
「おーい、遅いから心配で見に来たけど、何か有ったのかい ? 」
心配したのか、七之助が迎えに来てしまった。
七之助の脇には
アノ駄馬は方向音痴だから、間違い無いと思う。
まったく、ふたり共、余計なことをしてくれちゃって !
七之助は八重と十八番の前に居る螭に気が付くと、恐れる様子も無く近づいて行く。
気のせいで無く、螭の様子が怪しく成った。
八重と十八番に事情を聞いた七之助は、螭にお礼をしていたら……
── 主さま ? やっぱり主さまじゃ !
そうすると、この童たちは主さまの子供たちなのじゃな !
道理で親近感が湧いた訳じゃ !
主さまは、妾のことを覚えていないじゃろうが、妾は決して忘れたりしないぞよ ──
もう、帰りたい。 帰って寝たら夢だったりするかも……
「う~ん、ちょっと記憶に無いんだけど水神さまに知り合いは居ないと思うのですが……」
七之助じゃ無い ? 螭の勘違いなの ?
そうで有って欲しいと願うも、
── 主さまの前世に逢っているのだから仕方ないのじゃ。
しかし、主さまの魂の色と霊気は覚えているから間違い無いのじゃ ──
驚いていた七之助が ボソッ と、
「……
その途端に螭が光り輝きながら人間の姿に変身してしまった。
「 おおー、奇跡じゃ! 主さま、思い出したのじゃな。
やっぱり妾と主さまの『縁』は斬れていなかったのじゃ ! 」
「ごめん、ふと名前だけは浮かんだのだけど、記憶が戻った訳じゃ無いんだ 」
七之助は申し訳なさそうにしているけど、雫は嬉しそうにしながら、
「良いのじゃ、良いのじゃ、名前だけでも思い出してくれただけでも嬉しいのじゃ !
これからは、ずっと一緒に居て、主さまや家族を守護することにするのじゃ ! 」
「ちょっと、雫とか言ったけど、わたし達の方が先輩なんだからね !
前世と今世は別なんだから、わきまえなさいよね ! 」
「そうでござる ! 拙者たちが先輩なんでござるから、先輩を差し置いて ご主人様に甘えるのは止めるでござる ! 」
タマとダイフクモチがヤキモチを焼いて飛び出していた。
「おおー、流石、主さまじゃ !
もう既に、妖狐と人狼、猫又を従えているとは !」
もう、このカオスを何とかしてよ、誰か !
♟♞♝♜♛♚
一方、逃げ帰った
そう、螭の呪いとは……
呪い殺されるよりマシとは云え、これから彼らは周りの仲間に白癬菌をうつしまくった為に仲間からも恨まれることに成るとは、夢にも思わなかっただろう。
尚、この白癬菌は呪いの為に関係者だけが感染して治療が不可能だったりする恐ろしい呪いだった。
※作者より
次回の更新は未定です。
なるべく早く再開しますので、お待ちくださいね。
m(__)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます