第61話 道草、寄り道、回り道 ①
【サファイアside】
今日は幼稚園で出来た新しいお友達と一緒に八重と十八番はお出かけしているのを、何時ものように警護しているんだけど……
目的地の公園に真っ直ぐに向かわずに、アッチにフラフラ、こっちにフラフラしながら歩いている。
子供って、予想外の行動をするから目が離せないよ !
子供たちは、前後のグループに別れて歩いている。
前に歩いている八重たちは、空から一反木綿に乗っている ぬらりひょんの担当だ。
後ろに歩いている
ボクの前を歩いている新しい十八番の友達、
両親はヤンキーでは無く『のっぺらぼう』つまり妖怪なんだよね。
と云うか、あの大江戸幼稚園は妖怪や妖怪ハーフやクォーターの子供が多いんだ。
新しく出来た私立大江戸学園も全国から妖怪の関係者が集まって来ている。
令和の妖怪には、試験も学校もあるんだよ。
昭和の妖怪みたいに昼まで、グーグー寝ている妖怪は少ないんだ。
のっぺらぼうの愛花梨が
当の十八番は、七之助ゆずりの鈍感力を発揮して気が付いていない。
だからこそ、右京も真雪も積極的にアタックしているのに気が付いてくれない。
二人ともライバルが、どんどん増えていくのでだから気が気では無いんだろうな。
「真雪、共同戦線や ! エースの貞操はウチらで守るんや ! 」
「きょうどうせんせん ? ていそう !
ウッチャンは物知りさんなんだね。
意味は全く解らないけど凄そうな気はするよ 」
「ウチも意味は良く解らんけど、お母ちゃんが
『絶対に
わたしも、あんな可愛い息子が欲しかったの!
真雪ちゃん辺りなら簡単に出し抜けるから、共同戦線とか言って上手く手を組みなさいね。
十八番くんの貞操は、なにがなんでも守るのよ ! 』
と、言ってたでぇ~ 」
うん、後で魔魅は
こんな小さな娘に何を教えているんだよ !
……右京の影から魔魅の使い魔のポジとネガが半分だけ出て来て、ボクの方を見ながら謝っている。
あんなポンコツ魔女の使い魔な割にはマトモだよね。
先頭では八重の手を繋ぎたくても、繋げずにいる夏鬼や
妖怪も人間も女の子の方が
こんな働き者の猫なんて、ボクくらいの者だよね。
あれ ? 空に居る、ぬらりひょんが慌てているようだけど、何が有ったのだろうか ?
ぬらりひょんが見ている方向を見ると、釣り人が川の畔にある
あの祠は、洪水を防ぐ為に祭られている
あの釣り人たちは、馬鹿なの ? 死にたいの ?
自殺志願者なら関係の無い人を巻き込まないで欲しかったな。
テポ テポ テポ テポ テポ テポ テポ テポ テポ
八重が小走りで釣り人に近づいて行く。
あれ程、知らない人には近づかないように言い聞かせたのに、仕方の無い娘だよなぁ~
「おじちゃん達、それを壊したら『メッ』なんだよ !」
うわぁぁぁ、恐いもの知らずにも程があるよ !
釣り人は幼児に注意されたのが頭にきたようで、顔を真っ赤にしている。
姿隠しで、護衛している
二人共、頼んだよ !
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