第54話 玉龍と迷子の迷子の八重ちゃん ①
西遊記の三蔵法師の乗っていた白馬を知っている方は少ないと思いますが、あの白馬は本当は ただの白馬では無く、西海竜王の三男で名前を「
詳しくは、GoogleやYahoo!で調べてくださいね。
さて、何故その話しに成るかと云うと……
「ワーイ、ウーロンチャ
現在、八重や
孫悟空の使者として、ぬらりひょんの元にやって来た玉龍は、見事に八重にタラシ込まれてしまったのだ。
「しっかり
久しぶりに馬に化けたが、懐かしいねぇ~
三蔵法師さまや悟空の兄貴との旅を思い出すぜ !
オイラが来たからには、悪い妖怪や幽霊なんかを近寄らせたりしないから安心してくんな! 」
久しぶりの人間界に張りきる玉龍だが、この男は実は方向音痴だったのである。
尚、観音菩薩に寄り龍への変身は禁止されていた。
その結果、…………
「え~~ん、え~~ん、おかあさ~ん、おとうさ~ん」
迷子に成り八重は泣いていた。
十八番も泣きそうだったが、男の子と云う自覚が有ったのか、グッと泣きたく成るのを我慢していた。
「ウーロンは、
「スマネェ、龍に変身して空に昇れば一発で判るんだが、久しぶりの地上は勝手が違うから迷ってしまったぜ !
ア~ア、ぬらりひょんの旦那に面目が立たねぇぜ 」
姉である八重が泣いているせいか、逆に冷静な判断を出来る辺りは、栞に似たせいかも知れない。
「うえぇ~~ん、おかあさ~ん、うえぇ~~ん 」
パニック状態に成り泣き続けていた八重の前に一人の女性が腰を屈めて目線を八重と同じ高さにしながら問いかけた。
「あらあら、お嬢ちゃんは、どうしたのかな ? 」
「ふぇ ? 」
「ほ~ら、泣いてばかりだと可愛い顔が台無しだぞ。 ほら、ちーん して 」
「うっ、うん、ちーん 」
女性が八重の涙を拭いて、ハンカチで鼻をかませた。
「それで、お嬢ちゃんの名前は何て言うの ? 」
女性が優しく名前を聞いたが、十八番が横から女性に話しかけた。
「
十八番の大人びた対応に驚きながらも女性は優しく名乗り始めた。
「将来が楽しみな子供だな、君は。
私は、
隣の市の
出来れば、私を信用して教えて欲しいのだが、無理なら警察に電話をして迷子の保護を頼むが、どちらが良いかな? 」
年齢以上にしっかりしている十八番を子供扱いせずに丁寧に聞いてきた由利子に好感を抱いた十八番は正直に話すことを決めていた。
※全部、平仮名だと読み難いので、ここからは普通に書きますね(作者より)
「教えて頂きありがとうございます、お姉さん。
僕の名前は、福岡田
この娘は、姉の
そして、この馬は知り合いのお爺さんの知り合いの馬でウーロンチャと言います。
その時、玉龍は『名前が違ーう!』と叫びたかったが我慢していた。
正体がバレたら観音菩薩に怒られるからだった。
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