第42話 偶然は必然 !?
【七之助side】
「えっ、俺がダイフクモチを拾ったのは偶然じゃなかったというの ! 」
「そうでござる。 人狼の里から拙者が選ばれて、ご主人様に拾ってもらったでござる 」
帰りの車の中で、俺とダイフクモチの会話は続いている。
定員オーバーの為に、さくらは元の三毛猫の姿に戻り栞さんに抱いてもらっている。
まあ、タヌキやキツネを抱いていたら通報されるかも知れないから仕方なく、さくらも我慢しているようだった。
「ねぇ、ダイフクモチ。 ムクおじちゃんは人狼じゃなかったの ? 」
さくらがダイフクモチに聞いていた。
ムクは俺が就職して、しばらくしてから両親が飼い始めた
臆病で犬キライの猫好きな変わったワンコで、さくらを連れて帰郷した時は二匹共に仲良くなり、一緒に昼寝をしていたりした。
よっぽど、ムクのことが お気に入りだったらしく、ムクが老衰で亡くなった知らせを聞いた時は、俺以上に落ち込んでいた。
今 考えると、アノ時点で さくらは普通の猫ではなかったんだと思えるように成った。
「残念ながら、ムク殿は普通の犬だったと報告書を見ているのでござる。
丁度、拙者たちの交代の間に来てしまったので、拙者の仲間が遠くから観察していたようでござる 」
もしかしたらと期待していた、さくらは少しガッカリしていたようだった。
そんな、さくらを栞さんが撫でながら慰めてくれている。
「わたしからも質問、ダイフクモチたち人狼が七之助の家に仕えるのは理由があるんでしょう。
差し支えなければ教えなさいな ? 」
ちなみにタヌキ娘は、父さんからお土産に貰った堅焼き煎餅をバリバリと食べている。
本当に食べるのが好きな娘だよなぁ~。
「ご主人様の先祖である太郎左衛門殿に拙者たちの先祖が助けられてからの恩返しだと聞いているでござる。
『猫は三年の恩を三日で忘れる、犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ』
という
ダイフクモチの説明にタマは納得したようだけど、
「ブゥー、ボクだって忘れないよ !
捨て猫だったボクをお兄ちゃんは優しく面倒を見てくれたのに三日で忘れる訳ないよ ! 」
さくら、
「そうだよ、さくらの言う通りだよ !
猫は恩を一生忘れない…………恨みもね。
しかし、ボクが少し目を離している間に新たな妖怪をタラシ込むなんて予想外だよ、七之助 !
さくらはともかく、タマもタヌキ娘も何をしていたのさ !
一仕事終えて帰ってみれば、皆で仲良く旅行してさ !
いくらボクだって
そう、家に着いたけど声をかけるのを
それからサファイアに説明して、どうにかこうにか納得して貰ったけど、サファイアもさくらに負けないくらいヤキモチ焼きなんだと判った出来事だった。
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