こっくりさん事件⑤

「友永ベーカリーで一番美味しいと思うのはミルクパンかな。」

「分かる!私はそれに餡子入ってるのが美味しいと思う!」

「私はメロンパンです!」

「「それも美味しい!!」」

パン談義はまだ続いていた。

「いろは、優、らいら。隼ちゃん送るね。ついでに案内しとくから。」

「よろしく!後でおすすめのやつ、らいらのスマホで送るから!」

「それにしても狐竜先輩ってコスプレ趣味あったんですね。」

「え?」

「どうしたんですか?」

「もしかして気づいてなかったの?」

「なんの話ですか?それにしても精巧な作りしてるやつでしたね。」

「これはいろはの早とちりか。」

「どういう意味ですか?」

「もう着いた。中で話すよ。今回はおごるから。」

「いや、払います。そんな先輩の手をわずわらすことなんて。」

「大丈夫。割引券たくさん持ってるから。」


カランカラン


「咲さん、ゆず!来たよー!」

「咲さん今いないよ。」

「えっそうなの!?」

「うん、出かけてる。で、後輩の子?」

「バレちゃったっていうかバレてないていうか。」

「どういうこと?」

「隼ちゃん、いろははコスプレ趣味はないけどいや、あれも一種のコスプレ趣味か。あるけど、あれ作り物じゃないよ。」

内心やっぱりそういう趣味あったのかと思う隼だったが

「はい?」

作り物じゃなかったらなんというのか。そう思わずにはいられなかった。

「いろはは妖狐、狐の妖なんだよ。」

「...」

「気づいてなかったの!?」

ゆずは驚く。気づいてるものだと思っていたからである。

「いや、嘘言わないでくださいよ。現代にそんなものいるわけないじゃないですか。」

「いるんだって!一応私も半妖だし。」

「先輩、冗談にも程がありますよ。」

「...ねえ、ゆず。どう説得したらいい?」

「私に言われても...」

後輩の説得をどうするか悩む二人だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る