こっくりさん事件②

「えっ、あの先輩と会ったの!?」

「うん。」

私はそう答えた。そこまで悪い人じゃないと思うんだけどな。

「あの先輩の黒い噂結構あるよ。例えばヤクザをタイマンでぶっ潰したとか、木刀持って暴れてるとか。」

「どこが出どころなのよ、それ?」

「SNSとかでも書き込みあるよ。実際に動画流れてるから。」

「そういうのって肖像権侵害してない?」

「まあ、そうかも。」

ここからが本題なのだ。

「ねぇ、袮音?稲荷町って知らない?」

「えっ!稲荷町!?あの都市伝説の?」

「そうなの?えっと、鷹飛神社は?一時期袮音、ハマってたじゃん、御朱印集め。」

「そうだね。えっと、〇〇町の〇番地じゃなかったっけ?正確に覚えてないからGoogleマップでも使ったら?」

「そうするよ。」


ーーー放課後

えっとここだっけ?鷹飛神社?あそこに受付の女の人いる!

「あのー、ここが鷹飛神社ですか?」

「はい、間違いありません。」

ん?

「あぁーー!もしかして鷹飛先輩ですか?」

「そうだよ。ここ私の実家だから。」

道理で聞き覚えあるなって思ったんだよな。

「部活入ってないのこのためだったんですね。」

「そうそう、忙しいから部活してる余裕ないんだよね。」

「先輩、妖狐屋って知りませんか?」

「妖狐屋?よくそこに行きたいって言う人いるんだよね。知らないって言ったら大体あそこの道から帰って行くよ。」

指差した方向を見ると山を降りる道だと思う、細い山道があった。

「ありがとうございます。」

とりあえず行こう。










**********

「行っちゃたー。連絡しないと」

プルルルルー

「あっ、いろはー?そっちにお客さん行ったよー。準備しといて。」

「・・・・・・」

「えっ?今、らいらと将棋してるから手を離せないって。キリのいいところで止めてよね?しばらくしたらそっち行くから。」

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