FOX

Mにゃん

壱章 こっくりさん事件

こっくりさん事件①

「えっ狐竜こりゅう先輩?なんでコスプレしてるんですか?」

北海道N市立I高校一年生鳥羽隼とばじゅんは目の前の状況に理解が追いついてなかった。まあ戸を開けると狐耳をぴょこんと出ている知り合いが目の前にいたら普通はびっくりする。コスプレをするようなイメージがなかったら尚更である。なぜこうなったのか、それは少し時を遡ることになる…。


P.M 2:00

「隼、こんな噂知ってる?N市にはとあるお店があってね。その店はこの話してる時点で気付いてると思うけど普通の方法ではたどり着けないんだよ。その店に行く方法がこの学校に隠されてるっていう話。もしかしたらあの事も解決してくれるかも。」

仲のいい噂好きの友達、速水袮音はやみねおんがそういう噂を持ってきた。普段なら隼は聞き流していただろうが今回は別だった。

「袮音、学校のどこにあるの?」

「えーと、屋上とか図書室、校長室って言われてるけど…。」

「分かった。ありがと、袮音。とりあえず屋上行ってみる。」

「ちょっと隼。今あのse…」


  屋上

屋上の扉を開けると上から紙が落ちてきた。

「ん?」

__________________

《よろず屋妖狐屋》

なんでもやります!ペット探しに失せ物探し、あやかし退治に怪異事件いろんな依頼も任せてください。

受付はN市稲荷町鷹飛神社まで

 店長 葉隠陽子

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

まさに隼が探していたものであった。しかし稲荷町という町は聞いたことがない。袮音なら知っているだろうと思い教室に戻ろうとした瞬間だった。屋上の扉が開き、目つきが悪いポニーテールの女性が入ってきた。制服を着ている限り学生なのは間違いないが...

「狐竜先輩?」

隼がつぶやく。どうやら知り合いらしい。

「なに?」

何があったか知らないが苛ついた声で言う。殺気が尋常じゃないぐらい漏れていた。隼は

「いや何でもないです。」

と言った。しかし声が震えていた。まあ当たり前だろう。言葉を発するのもすごいことである。

「そう。」

それだけ言うと狐竜先輩と呼ばれた人はそのまま何かを探し始めた。それを横目に見ながら屋上を去るのだった。

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