第2話
マジか〜。続きが読みたいと思ったけど転生するとは思わなかったわ。チラっと隣の弥生君を見ると彼も渋い顔でこちらを見てた。
「すみません、お父様。リマが人に酔ってしまい顔色が優れない様で隅の方で休ませてもいいですか?」
「仕方ない。ラブハート伯爵に挨拶をするので早めに戻って来なさい」
「なにかあったら呼ぶのですよ」
弥生君は兄として気分が優れない妹を休ませると両親に声を掛け私を連れてくれた。庭園の隅に移動し、周りに人が居ないことを確認してから口を開いた。
「早苗ちゃんも思い出した?」
「うん、ここって『ちょま令』の中だよね。弥生君も読んでたの?」
「妹におすすめされて。だけど読んでる内に気がついたら妹よりもはまっていたんだ」
「確かに面白かったよね。あっ、なら赤ちゃんの時興奮してたのもそれが原因なの?」
「いや…、あれは単純に目の前に美形の男女がいたから…」
「それって面k「頼むからそれ以上言わないで」分かった。…そろそろ戻った方が良さそうだね」
自覚があったのか顔を覆った兄に思わず冷めた目を送りそうになった私だったがお父様が私たちの方へ来るのを見えたので彼を引き摺るようにしてお父様の元に向かった。
お父様の元へ着く頃には復活した弥生君とラブハート夫妻とエリザベート様(一様小説の主人公と言っても公爵令嬢なので敬称を付けることにした)に挨拶した後、他の登場人物がいないか挨拶巡り(顔合わせ)をしながら探してみると第三王子に宰領の息子、騎士団長の息子や侯爵令嬢など一部だが小説に出てきた特徴を持った子ども達を見つけたる事ができた。
「本当に小説の中なんだね。まだ幼いけど面影があるから分かりやすいわ。」
「正しくは小説の中に登場した乙女ゲームの中だけどね。小説通りだとこれから美形に育つのか…楽しみだな」
「めn「後半は無しで!!」('-' ).........。」
私達は再び庭園の隅に移動して話しているとクイッと服が引っ張られた。振り返ると鮮やかな赤色が目に入った。って、エリザベート様!?
2人で周りを見渡すとラブハート夫妻は公爵としての相手を、使用人達もそれぞれ来賓の相手をしていて忙しくこちらに気がついていない。
「あなたたち、こんなばしょにいるならあたくしとあそびなさい!!おとうさまもおかあさまもみんなおにいさまとばかりはなしててあいてしてくれなくてひまなの!!」
プリプリ٩(๑`ω´๑)۶と音が付きそうなくらい可愛らしく頬を膨らませた彼女の右手には私のドレスの裾がもう片方の手には弥生君の燕尾服の裾が握られてた。
どうしようかとアイコンタクトを交わしているといきなり服をグイッさっきよりも強く引っ張られ、振り向くと私たちの服を掴んだままグッタリしたエリザベート様がいた。慌てて彼女を抱き上げ周りに知らせようとした瞬間黒装束の怪しい集団が茂みから出現した。彼らを見た瞬間が朧気になっていった。薄れゆく意識のなか私は気合いで魔力を練りエリザベート様に目印をつけた。
ゴンッ!!
痛っ!!気が付くと見知らぬ古い小屋の中だった。隣の部屋から話し声が聞こえるから人はいるらしい。私は体を縄で縛られていて同じく縄で拘束された弥生君が額を赤くし涙目になりながら私の顔を覗き込んでた。どうやら頭突きで起こしてくれたらしい。
「〜ッ!!早苗ちゃん気分はどう?」
「頭がヒリヒリするけどなんとか。ところで今どんな状況なのこれ?」
「どうやら自分達はエリザベート様を狙った誘拐に巻き込まれたらしいんだ」
「そうだ!!エリザベート様は?」
「分からない、自分も今目が覚めたばかりで…」
護身術の授業で習った縄抜けをしながら薄暗い室内を見渡しても私達以外いなかった。そして2人とも服の裾の一部が破けていたので多分誘拐犯はエリザベート様だけ気絶させ誘拐するつもりだったが彼女が幼児特有の謎の怪力で服の裾を離さなかったので掴まれてた私たちに気付かれそのまま一緒に誘拐したってところかな。
そう考えながら縄を解くと部屋の探索をした。部屋の中は木箱と壊れかけた家具しかなく窓も小さく高い位置にあってそこから脱出するのは難しそうだった。
隣の部屋に続くドアを調べようとした時隣の部屋から泣き声と罵声が聞こえた。
「(°´Д⊂ヽビェェェエエン!!!!オトウサマーーーー!!オカアサマーーーー!!ヴワァーーーーン」
「うるせぇ!!このガキを黙らせろ!!」
すぐに泣き声は止んだけど間違えなく隣の部屋にエリザベート様と誘拐犯達が隣の部屋にいる。弥生君と素早くアイコンタクトをとり扉に聞き耳を立てると雑に椅子に座ったのかギシッと木の軋む音と何かを引きずる音が聞こえた。
「ったく、折角貴族の令嬢を誘拐するだけの楽な仕事だと思ったのによ。俺は依頼人にこのガキを届けてくるから隣の部屋のガキ共は適当に奴隷商にでも売っとけ」
「了解です、親分!!」
罵声の主はそう言うと数人の足音とバタンと扉が閉まる音が響き、外から馬の走る音がした。
ヤバイ、こっち来そう。隠れられる場所は木箱ぐらいしかないからすぐバレそうだな。幸い誘拐犯達は私たちをどう運ぶか相談していてまだ部屋に入ってくる気配は無い。どうするか悩んでいると隣からトントン肩を叩かれた。
「ねぇ早苗ちゃん、身体強化ってどれくらい維持出来る?自分は最低6時間位」
「私も最低6時間位かな」
身体強化は護身術の基本として我が家では最初に教えられる魔法の1つになってる。どんな状況でも主を守れるよう身体強化を維持することが最初の課題になり私たちはまだバラツキがあり6時間しか安定して維持できないけどお父様とお母様は1週間は余裕で維持している。
「じゃあこことかどう?」
そう言って彼はある場所を指さした。
NOside
「ガキ共!さっさと起き......ガキ共が居ない!!あ〜、....隠れんぼか。オジサン達見つけるの得意なんだ〜、どこかな〜?」
部屋に入ってきた男たちはわざと人1人入れる位の木箱を避けながらニヤニヤと笑いながら探すふりをしている。
「あと探してないのは…ここかなッ!!」
そして遂に木箱の周りを囲うように立つと剣を振り上げ木箱に突き刺した。剣を抜くと木箱の中から赤い液体が流れ出てきた。
「(°Д° )バーカ、ガキの考えることなんてすぐにわかるんだよww。大人しくしとけば怪我しなくて済んだのによ〜」
そう言って彼らは木箱を破壊したが木箱の中は空だった。男たちは慌てて小屋の中を探そうとした瞬間、ドサッ!と1番後ろにいた男が首を抑えて倒れた。それから次々に男たちは倒れていく。
「なんだ!急いで親分にれ…」
連絡しろ!!と指示を出そうとした男そうが言い切る前に音もなく近づいた影に首筋を切られ彼もあの世に旅立った。それを聞いて運良く小屋から出た男は親分に連絡するために足をもつれさせながら走った。数分後小屋の中には男たちの死体があった。彼らが最後に見たのは小さい子どもの影だった。
「( -ω- `)フッ、馬鹿だな。あからさまに隠れる場所が1箇所しか用意されてないのにそこに隠れるはずないじゃん」
「早苗ちゃんもナイス偽装。あれだけで対象を殺したという余裕から隙が生まれる可能性が増すからね」
彼らが完全に絶命し襲ってくる気配が無いことを確認した私たちはナイフをしまった。死んだと思った?2人とも生きてますよ〜( *ˊᵕˋ)ノ。
あの時彼が指さしたのは古く雨漏りや虫食いによってボロボロな天井だった。私達はすぐに行動に移った。私は木箱の中に入っていた物から影を使い赤く濁った液体を作った。弥生君は慌てて隠れたように物を漁った形跡を作った。なんとか彼らが部屋に入ってくる前に偽装工作が終わり私達は雨漏りの穴に指を引っ掛け天井に張り付きながら彼らの様子を見て彼らを一人ひとり殺って行った。
いや〜、性格悪いね。まさか木箱は開かないようにしといたとはいえ剣を突き刺してくるとは…危なかったわ(;゚Д゚)))))))。
さて、エリザベート様を助けなきゃね。
「どう?」
「うーん、北北西200mと南東100m。逃がした男が南東に向かっているから多分アイツらかな」
「200mか…。エリザベート様に付けた印も北北西辺りを示してるし合ってるよ。ところで弥生君、アイツらに勝てそう?」
「誰に言ってんだよ。早苗ちゃんこそいけそう?」
「余裕^^*。じゃあ後はよろしくね」
そう言って私は目印が示す北北西に向かった。
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