第2章

プロローグ

【はしがき】

新しい章のプロローグです。


夜に向かって雪が降り注ぎ、冬枯れの街路樹に風が泣く。

そんな12月も半ばのファミレスでは、外の寒さに負けない修羅場が繰り広げられていた。


「ね、私あれだけ言ったよね?そろそろアタックしなよって」


「だから何回も余計なお世話って言ってるでしょ。私だって色々心の準備があるんだから」


「は?そう言って何か月経ったの?」


「それは……ていうかそんなこと茜に関係ないじゃない!こっちの話に口出ししないでくれる?!」


「関係あるし!だって私もヨッシーのこと好きなんだもん!」


「「え?」」


体育祭の一件以降、俺たち三人はよくつるむようになった。

昼休みに一緒にご飯を食べたり、たまの休みに出かけるようになったり。


そんな中、茜が俺のこと好きなんて素振り、ほとんど見せなかったように思う。

というかこんな状況で、言っていいのか?

本人ここにいるぞ。


「え、茜って京弥のこと好きだったの?」


「好きだよ。大好きだよ」


「じゃあなんで私の応援ずっとしてくれてたのよ!そんなのおかしいじゃない……」


彩美は消え入りそうな声で茜にそう言った。

この状況、流石の俺でもむやみに口をはさんではいけないことくらい分かる。

そして、何を火種にこんな言い合いが起こっているかも。


「………分かった。これからは私も遠慮しないから。じゃあね」


「え、茜?ちょっと待ってよ!」


彩美の声を背中に受け、茜はファミレスを出て行った。

彩美は俺の横で呆然と立ち尽くしてる。


なんて声をかければいいか、俺には見当もつかない。


「どうしてよ。どうして?」


外の雪は更に激しさを増している。

まるで、俺達が茜の姿を見ることが出来ないように。


【あとがき】

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