第25話
【はしがき】
更新遅れて申し訳ありませんでした。
大学の期末テストの影響で執筆をストップしていました。
夏季休暇に入りますので、出来る限り更新スピードを上げていきます!
「まーまーそう嫉妬なさらずにさ」
茜は希月さんの頬をツンツンしながらそう言った。
「嫉妬?なんの話でしょうか」
「んー?だってヨッシーが私を名前で呼ぶのに自分のことは呼んでくれな―」
「違います!そんなこと考えてないもん!」
「「もん?」」
一瞬で希月さんの顔が真っ赤になった。
彼女は、基本俺以外には敬語で話すようにしている。
メッキがはがれた瞬間、茜の顔がどんどんニヤニヤしていくのがはっきりと見えた。
「ねーねー彩美さん。もんってなんでしょうか。もんってなんでしょうか」
「いや、その…あの」
「まさか、口調作ってらしたんですかー?」
希月さんは、目に涙を浮かべ口をパクパクさせている。
必死に言葉を探している姿が少し滑稽に見えた。
「まぁ、いいけどねー。私色々聞いちゃったし」
「………聞いた?」
希月さんは首をかしげてこちらを見る。
まだ見当がついていないみたいだが、俺の背中には冷や汗がつたった。
「彩美って私のことめっちゃ好きなんでしょ」
「は?」
「私の噂消すために、何か彩美の秘密公開しようとしてくれたりー」
「え、なんでそれ知って―」
「今回の件、本気で弁護士に相談しようとしてたりー」
「ちょっ―」
「『茜は私以外とも仲良くできるだろうけど私は茜以外とあまり仲良くなれないだろうから。その点感謝してるだけ』なんて言っちゃ―」
「茜まって!なんで……なんでそれ知ってるの?」
希月さんは声を震わせながらそう言った。
声の震えが、焦りか怒りかはたまた他の何から来ているのかは分からないが、バレたらやばい事だけは理解できる。
俺は出来うる限り呼吸をとめ影になるよう努めた。
「なんでだろ。なんでだろーねヨッシー」
「俺に振るのは駄目でしょ……」
「知らない。もう本当に知らない!」
先ほどまで茜に向けられていた視線がこちらに注がれる。
言い訳しようにも何も思いつかず、俺は黙って希月さんから目を逸らした。
「まあまあ、落ち着きなよ」
「落ち着きなってそんなこと出来るわけ―」
「彩美さんストップストップ」
茜は希月さんの言葉を遮り、彼女を抱きしめる。
そしてゆっくりと言葉を紡ぎ始めた。
「私も彩美のこと大好きだよ。ありがとね、私のために色々動いてくれて」
希月さんは何も言わずに茜の言葉に耳を傾けている。
相変わらず顔は赤いままだけど。
「別に素を出せとは言わないけどさ、私はどんな彩美でも離れたりしないよ?だから彩美が一番楽な態度で接してほしいなー」
「……うん」
しおらしく頷く希月さんと満足そうな笑みを浮かべる茜。
そんな二人を見ていると自分までほっこりとした気分になる。
「でそれはそうと、いったん外行こうか!ちょっと彩美と二人で話したいことあるんだよねー」
「え、うん?」
***
side 五六茜
「で、話って?」
マンションのエントランスで飲み物を飲みながら二人して、ベンチに腰掛ける。
最近は一緒にいる時間が少なかったからちょっと新鮮。
「え。単刀直入に言っていいの?」
「え、ええ。だって内容が分からないと話しようがないし」
そっかー、と相槌を打ち若干の間をとる。
彩美もこう言ってくれてることだし、躊躇うこともないだろう。
「彩美ってヨッシーのことどう思ってるの?」
「ふぇ?!」
【あとがき】
読んで頂きありがとうございます。
次話までほんわか回が続きます。
その後、体育祭編の終了と新章のスタートの予定ですので、是非♥(応援する)をポチっとお願いします!
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