帰路

道ゆく人

ひとりずつきいてみたい

どうして、今日まで生きてきたんですか

理由なんて聞きたくない

明確な答えも

曖昧な惰性も

求めてない

ただ、問いかけたい

足を引っ張りたい

平然と生きるという

途方もない才能の持ち主達

引っ張った足の人間くさい温度が知りたい

「私だってつらいこと、あるよ」

「生きていたくない日だって、あるよ」

そういう話はしてない

人の気持ちなんてひとつたりともわかるはずがない

それが前提ではない人の

同調は

不協和音みたいに気分が悪い

黙って殴られたほうが幾分まし

でも痛いのは嫌だから

いつのまにか家についた


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