金曜日

今日はもう、まっすぐ歩くのはやめにした

身体を支えることを放棄

膝から力を抜いて

体重のおもむくままに

しゃがみこんでもいいし

倒れこんでもいい

いっそ本当に倒れてみようか

アスファルトに突っ伏し、そのまま起き上がれなくなる自分を想像する

想像に実体を近づけると、

「こんなものか」が僕を追い抜いて、

想像はすぐに味気なくなる

結局僕の身体は倒れることなく

想像の屍がそこらじゅうに転がっている

せめて安らかに


ボロボロのアパートの壁面

並んだ四つの室外機

ビートルズ


人気のない横断歩道を

人工的な千鳥足で渡る

春は終わるのに、夜はまだ寒い


神さま、どうか僕を

この気持ちを「エモい」といえば満足できる、燃費のいい生き物に変えてください

言葉を尽くすほどに

伝わらないことだけがわかる

そんな自分が少しだけ好きな僕を殺して

そこに転がる屍の横に並べてください


とりとめのない言葉を

流しっぱなしにすることは

何もしていない以上に何もしていない

別にいい

金曜日だから



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