第16話 小町ユウカ

放課後にミラは直接レナが起こしたことについて謝罪して来た

何が起きていたのか詳しく知らない俊輔はそのことは咎めないとし。すぐに和解できた

そしてそのレナは現在家で謹慎中らしく、今は姉のエリカがミラの護衛を務めて傍にいる

ミラは放課後の部活があるということで廊下で別れた


グラウンドで楽しそうに練習するサッカー部を横目に俊輔はリムジンに乗ろうとする

未だにサッカー部への入部は認められておらず、何度も頼んでいるが北条は認めようとしないのである

肩を少し落とし小さくため息を吐き、とリムジンに乗ろうとした俊輔。その時だった


「待ちなさあああああああああああい!!!!」


校門に響き渡ったその声は女性のものだった

声質からまたあのレナとかいうめんどくさい女かと俊輔は振り返る

だがそこには初めて見る女性がいた


青い髪にオレンジの瞳

どう見ても外見が日本人じゃない彼女に俊輔は警戒感を覚えた

どうしてもレナの影響で外国人に対する警戒感が増した俊輔が恐る恐る会話をつづけた


「だ、誰です?」


俊輔のシンプルな質問にその女性は待っていたと言わんばかりの反応を見せる


「私?仕方ないわね!教えてあげる」


(いや、頼んでないけど…)


長いツインテールの髪をさっと揺らし、片手を腰に当てて女性は話した


「私の名前は小町ユウカよ!あんたが来ている制服もはいている靴も私の家が作ってるのよ!すごいでしょ!」


(すごいのは家なのでは?お前はすごくないだろ)


自分にもブーメランが刺さることをハッと思い返し、すぐに俊輔は彼女をほめたたえた


「さすがですねぇ!やっぱり名家の方は態度からして違う!!」


普通に考えれば明らかにあおっているような返答だが、こういった女性はシンプルに言われる方が好むのではないか、と俊輔は考えた


「へへーん、よくわかってるじゃない山宮俊輔。あんたの家もかなり大きいけど私だって負けてないし。次のパリコレでもあんた達には負けないからね!今日はそれを言いに来たの!」



一瞬何のことかさっぱりだった俊輔はその場を適当に流し、リムジンで走り出した


パリコレってなんだ?という疑問で頭がいっぱいだった俊輔はすぐさまスマホで検索した


「なるほど。ファッションブランドのお披露目会か」


そう、よくある派手な衣装をまとってたくさんの人の前で美しく歩くやつだ


しかし接点がわからない俊輔がスマホ片手に悩んでいると北条が説明し始めた


「おそらく山宮グループの下部組織にあるファッションブランドがあの方と何らかの接点があったのだと思います」


言わずもがな山宮家も大きな財閥だ

そういった類の業界に属する会社を買収していたりしてもおかしくない


わかりやすい解説に俊輔は満足して、とりあえず俺には関係ない!wと結論づけてリムジンでゲームを始める


「ご主人様!ゲームは勉強が終わってからです!!私が没収いたします!」


「どええええええええええ!!!」


爆速でスマホを没収され、問題集をリムジンの中で並べられる


「ほ、ほぇ…」


「もう期末テストですから。しっかりお勉強いたしましょう」


俊輔は青い自分のスマホを見て思い出す

(そう言えばさっきの奴の名前おもいっきり日本人だったな…

アイツ日本人だったのか?)


期末テストまであと1週間!


















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