第6話 混乱の一日
朝。目覚ましで起きたわたしは、朝ごはんも食べずに学校に向かった。
昨日のことが衝撃的すぎて、お腹が空いてなかったんだ。
「おはよう」
「お、おはよ」
クラスの中はいつも通りだった。
わたしはみんなから浮いていて、ちょっと変わった生徒。
「一体、昨日のはなんだったんだろう……?」
「昨日の、って?」
突然自分に向けられた言葉に驚いて、わたしは顔を上げた。
目の前には、
「ひ、
「そう。今日、国語の課題の提出日だからね」
「わ、忘れてた……。急いでやっとく!」
昨日の帰り、結局わたしはその場から走り去って逃げ帰った。
家についてからも何も考えられなくて、課題のこともすっかり忘れてた。
こんなこと初めて。
なんとか課題も間に合って、わたしは一日を平和に終えることができた。
けど、今日も生徒会の活動日なんだよね〜。
「こんにちは……」
「こんにちは〜」
ドアを開けると、中にいたのは
よかった、
わたしはホッと胸を撫で下ろした。
だって、まだ心の準備ができてないんだもん。
「
「え!」
わたしは、肩をびくつかせて
名前が出てくるだけでこんなになっちゃうなんて、意識しすぎ?
なんだか恥ずかしくなって、頬が熱い。
「さては
「なななな、なにもないですけど?」
「ふ〜ん……」
もしかして、なにか知ってる?
これ以上ここにいたら緊張と恥ずかしさでどうにかなっちゃいそう。
よし、今日は帰らせてもらおう!
そう思って、わたしはドアの前から後ずさった。
「あの、わたし、急に用事を思い出しまして……わっ!」
一歩下がったところで、わたしの体は何かにぶつかって、それ以上は下がれなくなってしまった。
「どうした。入らないのか
その透明感のある低音は……。
わたしは後ろにいるのが誰かを確かめるため振り向いた。
「あ、
やっぱり。
予想通り、
わたしは諦めて室内に入っていった。
「さてと、じゃあ僕はこれで」
席についたわたしと
ちょっと待って、帰るの?
「どういうことですか?」
「オレは用事があるんだ。
「ああ、明日な」
そう言って
あの感じは、きっと知ってるんだ……昨日のこと。
しかも、わざと
もう、どうしたらいいかわかんないよ〜!
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