第8話魔法の練習です
「どうでもいいことだけど、さっきのは詠唱は必要ないから。俺が感覚的に必要なだけだから」
「中二病?」
「中二病だね」
「ほっといてよ!!やってみれば分かるから、詠唱をするしないで、何か何となく構築が出来なくなりそうだったの!だからやったの!あーもーーーーー!!」
「やってみよう、えーっと絶対模倣――コピーマスター!――と、覚えたものを開く・・・・ファイアストーム。出たね。待ってやってみる」
いそいそと準備をし、まみこは絶対模倣を使いこなして見せるとやるが、発動しない。
「ほらね。何も発動の為の発声をしないと出来ないんだってば」
「ええええ。じゃあ、ファイアーストーーーームッ!!」
「出ないね」
「なんでやああああああああああああああああ」
「絶叫すな。耳が痛いからも~」
「じゃあええっと、炎よ、猛き炎よ、わが呼び声に応えよ、ファイアーストーム!」
ボウッゴウゴウゥウッ
ボワッと音をさせてそれは出現すると、真二と同様に、神域である朱塗りの建物の結界を通り越して外の樹海を一気に飲み込もうと進んでいくのだった。
「出せた!でもやだ中二病的に唱えないと出ないから!」
「やだじゃねーよ。俺だってやだったよ、何が炎よ、猛り狂え!だよ、出せないこれ以外では無理って思ったから頑張ったけど俺は練習して無詠唱になるわい」
「ええええ私もなんか今のコピーマスターのレベル1だし、頑張ってレベルマックスにして、そんで何とか無詠唱?でやってみせるよ!」
と言っていたところ、ボウボウ燃えていた木々が、段々と鎮火してきたのが分かる。
何故こんなにも早く鎮火するのだろうか?
木々は燃やしつくされて無くなっているが、霧が雨のように炎を食っているのが見える。
晴れ間を作った部分はしばらくそのままだが、木などはもう霧に覆われてしまった。
「何か異様な光景だな・・・・とりあえず俺等あっちの世界に戻ろうぜ」
「地球ね。まず私たちは服を買いそろえるところから始めないとね・・・」
だって好みから皆かけ離れているのだ。
あまねはご両親が随分と前に亡くなっていて、親戚づきあいも無いようなものだから、だぼっとした服を着て気楽に過ごしていたらしい。
そのためぴっちりかっちりとした服装が好まないらしいし。
真二はと言えばひらひらとしたスカートがまず駄目だと一々ぴらぴらと煽ぐようにしては、熱気を飛ばしている。
実はこの場所かなり熱いのだ。
お陰で湿気た暑さで熱帯雨林か何かかな?と皆でそうなんじゃないかと言っていたけれど、実際のところは分からないでいる。
まみこはと言えば、アイドル活動をしている衣装なのか、矢鱈とぴっちりとした衣装なので、とても恥ずかしい。
だから何とかしたいと思っていたのはまみこが一番かもしれない。
「兎に角全部やっちゃうな。MPも大量にあるみたいだし、俺頑張るわ。だからきちんとコピーマスターで頑張って覚えてくれよな!」
俺だけに負担を背負わせるなよと言われれば、まみこも勿論と答える。
自分の肉体が待ってるんだもの、今さら現実的じゃないから無理とか何て言わないわと豪語する。
その後50以上の魔法を詠唱して覚えたまみこと真二は、熱帯雨林を大量破壊し、その間に何故かレベルが上がったのであった。
お陰でまみこのコピーマスターはレベルマックスの5になり、真二も魔術師としてレベルが99になっていたため、これは何があっても大丈夫になっているはずと自信満々であった。
「じゃあ一旦防毒マスク・・・買いに行きますか?」
「ああ、言ってたっけ。買いに行かないといけないね。どうする?普通のマスクじゃないからダメなら、どうやって買うの?」
俺アーミーマニアの友人がいるけど、防毒マスク何て売ってないらしくて、売ってるところから取り寄せるんだって。
そんなことを言われてまみこもあまねも青ざめた。
売ってないなんて聞いてない。
「いっそのことこの晴れ間の出てる場所以外も全部ぶっ飛ばしてから売り物を選んでそれから買い物にでも行こうか」
「何で周囲全部吹っ飛ばすん?無意味な環境破壊良くないぞ」
「あほたれ。敵が居たからでしょーが。だからレベル上がったんでしょ君達はね。わかる?わかるよね?」
「ゲームなら基本の話か」
そうかあと頷きあうあまねと真二にまみこはゲーム何てしたことが無いため分からない。
そうなのかそういう物かと納得を無理矢理させられた。
なので朱塗りの建物の周囲を全て焼き払ってしまうということで決定したようである。
とりあえず周囲に人が居ないかどうか、それは聞いているので大丈夫だろうと思い、二人は無詠唱になった魔法で周囲を薙ぎ払っていったのだった。
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