第4話

「なかなか、これでいい、というか、これがいい!が来ない」

「パチンコみたい」

不必要な言動は控えながらも、ふたりはいじめのない世界を探した。結果。

「どこにもいじめなんてない」

どちらかが呟いた。

そう、呟いてしまった。

天使が、ひかりを割って現れる。初めて女性の天使だった。


〈いじめなんてなかった〉


女性に見えるが、テノールの不思議な響きの、性別なんてものが届かない翼の生えた存在が言う。


ふたりの少女はなぜかおそれおののいた。嫌なことが起こる。


〈その言葉に、どれだけのひとびとが苦しんだか〉


いつもの天使さまとはちがう。同じかもしれないが、苛烈さがある。


「天使さま、家へ帰してください」

「帰してください」


〈だめだ。〉


どうして。


ふたりは戦慄した。

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