元気な娘へ

 俺はお前の結婚式に出たかったよ。お前の彼氏に向かって『お前に娘はやれん!』なんてセリフを言ってみたかったよ。お前が反抗期に入って、父ちゃんと洗濯を分けてくれって言いだした時、隠れてめちゃくちゃ喜んでいたんだからな。気持ち悪いと思うが、お前の成長が本当に嬉しかった。赤子のころ、お前は他の子に比べて成長が遅かった。歩き始めだったり、言葉を話すことだったりが遅れている分には問題なかった。お前は体の成長スピードも遅かったんだ。医者に毎日通って、お前を何とか成長できるように色々なことをした。内臓が耐えられるか、胃に無理のない食事は何か、色々なことをした。お前が小さいころに死んでしまう可能性だってあった。でも、お前は父ちゃんと洗濯分けろと言ってくれる年齢まで育った。もう、体は問題ないだろう。あとはお前自身が成長するだけだ。頼むから母ちゃんには迷惑をかけるなよ。今は父ちゃんのことが大嫌いかもしれないけど、いつかいい父ちゃんだったなって思い出してくれる日を楽しみにしている。あ、結婚式には俺も出席させてくれ。父ちゃんみたいなくそ野郎じゃなくて、いい旦那さんを見つけるんだぞ。父ちゃんがどれだけ大変だったか、いつか母ちゃんに聞いてみるといい。めちゃくちゃ文句言ってくるだろうからな。元気で過ごせよ。

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